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2022年7月17日(日)

きょうの潮流

 岸田首相が安倍元首相の「国葬」を行うとの記者会見を聞いて、真っ先に思い浮かべた映画があります。旧ソ連の独裁者、スターリン国葬の記録です▼「ここに死はない。あるのは永遠の生だ」とスターリン礼賛のアナウンスが流れ、弔砲が一斉に鳴り響く。スターリンの亡骸(なきがら)を一目見ようと、延々続く行列。セルゲイ・ロズニツァ監督の「国葬」(2019年)には異様な姿が映し出されていました▼一方、日本では戦後、国葬令が廃止に。唯一の例外は、1967年の吉田茂元首相。安倍氏の国葬は、それ以来となります。なぜ国葬か。岸田首相は「そのご功績は誠にすばらしいものがある」と説明します。国会での118回もの虚偽答弁、“モリカケ桜”など国政私物化疑惑の数々。それらも「すばらしいご功績」なのか▼ツイッターでは「#国葬反対」「#安倍晋三の国葬に反対します」がトレンドワードに。TBSラジオ「森本毅郎 スタンバイ!」(15日放送)では「リスナーの95%が反対」と。民主主義は生きている、とホッとします▼銃撃で人命を奪うことは到底許されません。同時に、安倍氏を美化し弔意を強制することも、あってはならないことです。17年の東京都議選で彼が反対派の人たちを「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と敵視したことが記憶に新しい▼安倍氏の「国葬」をてこに自民党内の求心力をはかろうとする岸田首相。民主主義の破壊はテロの後、やってくる。権力の暴走を許してはなりません。


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