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2022年7月17日(日)

米はPFOSなど規制強化

在日米軍基地 相次ぐ流出

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(写真)普天間基地から流れ出す、PFOSやPFOAなどを含む泡消火剤=2020年4月10日、沖縄県宜野湾市(市民提供)

 発がん性や低体重児の出産、免疫力の低下など人体に悪影響を与えるとされる有機フッ素化合物(PFAS)をめぐり、米環境保護庁(EPA)はこのほど、水道水中濃度に関する安全性の暫定勧告値を大幅に強化する新たなガイドラインを発表しました。日本国内では米軍基地からのPFAS流出事故が相次いでおり、規制強化は避けられません。

 2016年のガイドラインではPFASのうち特に毒性が強いとされるPFOSとPFOAについて、安全性の目安となる暫定勧告値を1リットル当たり合計で70ナノグラム以下としてきましたが、今年6月15日付の改定で、PFOSは0・02ナノグラム、PFOAは0・004ナノグラム以下と大幅に変更。合算で従来の約3千倍もの厳格化となります。日本国内では水道水管理の暫定指針値として50ナノグラムとしています。

 EPAは規制強化に踏み切った理由として、16年の解析で規定した数値よりはるかにわずかな量でも人体に悪影響を及ぼすことが明らかになってきたと主張。免疫力、心臓血管、低体重児出生、がんなどとの関連に言及し、ゼロに近い量でも、健康への一定の悪影響がある可能性を指摘しています。

 免疫力との関連で、子どもの破傷風やジフテリアのワクチン反応との関連についてのさらなる研究の必要にも言及しています。

 米国でPFASの規制強化の動きが進む中でも、日本では在日米軍基地からのPFASを含む汚染水の流出が相次いでいます。今年5月4日、米海軍横須賀基地(横須賀市)の排水処理施設からPFASが流出。同市は今月4日、米側が実施した検査のうち最も多い地点でPFOS・PFOAの合算値で112ナノグラムが検出されたと明らかにしました。

 米軍基地周辺で高濃度のPFASの検出が相次ぐ沖縄県では「有機フッ素化合物(PFAS)汚染から市民の生命を守る連絡会」が6月25日から県内6市町村の住民を対象にした血中濃度調査を開始。沖縄県も、11日の県議会で水質検査のほか、土壌調査に乗り出すと答弁しました。


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