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2022年7月4日(月)

中絶の権利否定に抗議続々

米最高裁判決 国連から批判も

 【ワシントン=島田峰隆】米連邦最高裁が人工妊娠中絶の憲法上の権利を否定する判決を6月24日に出してから1週間余りがたちました。米各地では連日のように判決に抗議する行動が続いています。女性が自らの体について決める権利は国際条約で確立されているとして、国連からも批判が出ています。


 米メディアによると、2日には中西部ウィスコンシン州ケノーシャで、1日には南西部アリゾナ州の州都フェニックスなどで抗議行動が行われました。

 女性の権利拡充や地位向上を求める団体「女性の行進」は9日に首都ワシントンで行動を予定しています。「政治家が女性の命や未来をもてあそぶことは許さない」「私たちは黙らない」と訴えています。

 国連女性差別撤廃委員会は1日、米国に対して女性差別撤廃条約を順守するよう求める声明を発表しました。同条約は、出産する子どもの数や出産する間隔を女性が自由に決める権利を明記しています。現在の締約国は189カ国に上ります。米国は1980年に署名しましたが、批准していません。

 声明は、同条約について、性と生殖に関する健康と権利(リプロダクティブ・ヘルス&ライツ)を含めて女性の人権を包括的に守る条約であり、ほぼ世界共通となっている条約だと指摘。「当委員会は米国の女性に連帯を表明し、米国が女性差別撤廃条約を順守するよう断固として求める」と強調しました。

 また世界中の女性の権利擁護が委員会の任務だとして、「われわれは、すべての女性が安全で合法的な中絶を受けられるようにするという点に関しては、権利擁護の取り組みを決して弱めることはしない」と表明しました。

 国連機関UNウィメンは6月24日の声明で「性と生殖に関する健康と権利は女性の権利に不可欠であり、国際合意によって支持され、世界のさまざまな地域で法律に反映されている」と指摘しました。


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