2022年7月4日(月)
維新宣伝の「教育無償化」 大阪の現状は
実際は少数で入学金必要
日本維新の会は全国各地で大阪での「身を切る改革」「教育無償化」を自慢しています。しかし実際の大阪の教育現場と子どもの現状はどうでしょうか。
遅れる教育、子育て
現在ほとんどの県が、国による義務教育少人数学級を独自に上乗せ拡充し、小中学校で35人以下学級を進めています。しかし大阪府は独自の拡充をしていません。
また、大阪府は公立高校14校の廃校をこの9年間で強行。近くに通える高校がない子どもが増えています。
大阪では新型コロナによる死者が全国最多、子どもの感染や休校も相次ぎました。そのさなかの昨年度、大阪府は養護教諭を複数配置していた高校を一気に19校も減らしました。
子どもの医療費も、東京都は来年度から18歳まで補助する方向ですが、大阪府は6歳までしか独自補助していません。しかも東京では6歳までは窓口負担なしですが、大阪では0歳でも1回の受診に500円が必要です。
吉村洋文知事は「次世代に投資してきた」と言いますが、全く不十分です。
「完全無償」は誇大
維新は「大阪では私立高校は完全無償」と言いますが、無償なのは授業料のみで、入学金などは必要です。しかも所得制限があるため、授業料が無償なのは府在住生の約半数にすぎません。
大阪公立大学の授業料補助制度も所得制限があります。しかも学生と保護者ともに3年以上府内に住んでいなければならず、成績が上位2分の1以上でないと打ち切られます。このため補助を受けているのは対象学年の全学生の3割もおらず、うち授業料全額無償の学生はさらに少数です。
コロナ禍の2020年度から今年度まで、大阪市は小中学校給食費を無償としています。ただし財源はすべて国からの臨時交付金で、来年度以降も無償になるかどうかは未定です。
維新の「教育費完全無償」は“誇大広告”と言わざるを得ません。
整備掛け値なしに
一方で維新府政は、全国学力テストに加えた独自の小中学生テストを実施、高校入試の内申書への反映までするなど、子どもと教育現場を激しい競争と序列化に追い立ててきました。
20年度の文科省の調査では、中学生の暴力行為件数が生徒数あたりで大阪は全国の1・8倍、不登校の高校生数は1・7倍にのぼります。大阪の子どもたちの現状は深刻です。
子育て・子どもに冷たい維新政治を許さず、どの子も学び成長できる、掛け値なしの教育・子育て無償化と環境整備こそ急務です。(O)