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2022年6月25日(土)

最低生計費 地方と東京 大差なく

全労連調査 最賃全国一律1500円急務

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(写真)最低生計費の調査結果を発表する(左から)衛藤、中澤、土井の各氏=24日、厚労省内

 全労連・国民春闘共闘委員会は24日、厚労省で会見し、新たに調査した兵庫、高知両県を加えた全国の最低生計費試算調査結果を発表しました。兵庫、高知で25歳が1人暮らしをするには時給1600円以上が必要となり、東京と差がなく、最低賃金を全国一律で時給1500円にする必要性を示しました。

 最賃1500円は参院選の争点となっており、全労連・春闘共闘は最賃大幅引き上げと参院選での政治転換を訴えて、厚労省前行動をおこないました。

 最低生計費調査は、労働者へのアンケートで生活必需品を集計し、月額や時間額で換算。兵庫の25歳単身で男性が時給1626円、女性1582円、高知で男性1665円、女性1669円となりました。東京都北区(2019年調査)の男性1664円、女性1642円とほとんど差がありませんでした。

 高知県労連の牧耕生書記長は、「高知は最賃額が全国最下位の820円で、東京の1041円とは221円の格差。年収で41万円もの差になるが、生活にかかる費用は変わらない」と強調。兵庫労連の土井直樹事務局長は、「兵庫は、最賃Aランクの大阪と隣り合い、大学生の3分の2が県外で就職するなど人口流出が起きている」と訴えました。

 調査を監修した中澤秀一静岡短大准教授は、「調査の後に急激な物価高騰が起こっており、最賃近傍の労働者の生活はさらに大変になっている」と指摘。全労連の衛藤浩司常任幹事は、「参院選や28日にはじまる最賃審議では、低すぎる金額の大幅引き上げ、地域間格差の是正を中小企業支援とセットで求める」と強調しました。

最低生計費試算結果
自治体名 男性(25歳・単身) 女性(同) 現在の最賃
東京・北区 1664円 1642円 1041円
長野市 1699円 1710円 877円
京都市 1639円 1618円 937円
大阪市 1633円 1614円 992円
神戸市 1626円 1582円 928円
高知市 1665円 1669円 820円
那覇市 1642円 1662円 820円

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