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2022年6月25日(土)

生活保護引き下げ違法

東京地裁 取り消し命令 全国3例目

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(写真)記者会見する弁護団=24日、司法記者クラブ

 国が2013年から生活保護基準を引き下げたのは生存権を保障する憲法に違反するなどとして、東京都内の保護利用者が国や自治体を相手取り、引き下げ処分の取り消しを求めた訴訟(いのちのとりで裁判)の判決が24日、東京地裁でありました。清水知恵子裁判長は「引き下げは、厚生労働相の裁量権の範囲を逸脱し、違法」と判断し、処分を取り消しました。

 国は13~15年、デフレによる物価下落などを反映させるためとして、平均6・5%、最大10%もの生活保護基準の引き下げを強行。年間削減額は約670億円で、「デフレ調整」による削減は約570億円を占めました。

 清水裁判長は、デフレ調整による引き下げが「広く不利益を生じさせ、影響は重大」だと指摘。そのうえで「デフレ調整の判断は必要性、相当性の両面で合理性を欠いている」と結論付けました。

 判決後の会見で、原告の男性(46)=葛飾区=は「この間、生活苦はずっと続いた。食事は1日に1~2回。歯を食いしばってきた。感無量です」と語りました。

 弁護団長の宇都宮健児弁護士は「原告の主張が認められた大変画期的な判決」と評価しました。

 1000人超の原告が29都道府県で同様の訴訟を提起。引き下げを取り消す判決は、昨年2月の大阪地裁と今年5月の熊本地裁に続き、3例目。


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