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2022年6月23日(木)

きょうの潮流

 戦争で人生を失った一人ひとりの生きていた証しを受け継いでいきたい―。きょう沖縄「慰霊の日」を前に、「平和の礎(いしじ)」に刻まれた24万余の名前が読み上げられました▼県民らでつくる実行委員会が企画し、戦没者遺族など国内外から多くが参加。今月12日からオンラインも活用しながらリレー形式で続けてきました▼今年新たに県内出身者27人、県外出身者28人の計55人の名が刻銘された「平和の礎」。太平洋戦争・沖縄戦の終結から77年たった今も犠牲者が現れる現実は、あの戦争がいかに激烈で、たくさんの命を奪ったかを物語っています▼1995年6月23日、戦後50周年の記念事業として進められてきた「平和の礎」の除幕式典が行われました。当初は、国籍や軍人、民間人の区別なく一堂に会することに反発があったといいます。しかし当時の大田昌秀県政は沖縄から世界へ平和を発信する拠点としての意義を説き、恩しゅうをこえた画期的な礎となりました▼県の平和行政にかかわった石原昌家・沖縄国際大名誉教授は、戦争につながる一切の動きと戦争を拒絶する琉球沖縄の人の、平和のこころを具体的に現したものだといいます。そして、すべての生き物の生命を慈しむ「命(ぬち)どぅ宝」という共生の思想を表出したものだと(『沖縄「平和の礎」はいかにして創られたか』高文研)▼いま改めて戦争か、平和か、日本の進路が問われているとき。手をたずさえて世界の平和をめざす沖縄のこころは、日本のこころでもあるはずです。


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