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2022年6月15日(水)

主張

吉川議員の離党

自民党の責任逃れ許されない

 18歳の女性に飲酒させ、現金を渡したなどと『週刊ポスト』で報じられた吉川赳衆院議員が自民党を離党しました。自身が一切説明せずに離党したということは、報道を事実と認めたのも同然です。議員としての資格は全くありません。ところが、同氏は議員辞職する意思を示さず、自民党は調査もしないで、離党を承認しました。同氏を選挙で公認し、議員にしたのは自民党です。岸田文雄首相が率いる派閥にも所属していました。国民への説明も辞職判断も本人任せにし、幕引きをはかることは許されません。

議員としての資格なし

 『週刊ポスト』(10日発売)は、吉川氏は5月末、東京都内の焼き肉店で18歳女性に酒を飲ませ、4万円を渡しホテルで一緒に1時間半ほど滞在したと報道しました。吉川氏は週刊誌発売直後に離党届を自民党に提出し、党紀委員会は離党を了承しました。吉川氏は記者会見などを行っていません。自民党も本人に事実経過などをただしていません。

 岸田首相は13日の参院決算委員会で認識をただされると、「事実はどうであったか説明してもらいたい」と人ごとのような答弁に終始しました。自民党の茂木敏充幹事長は「政治家としての適切な出処進退は本人が判断すべきだ」という姿勢です。

 離党すれば済む問題ではありません。吉川氏は21年総選挙で政党名で投票する比例代表東海ブロックで当選しました。自民党には、党として本人への調査を行い、事実関係を明らかにする責任があります。吉川氏が議員の職にとどまれないよう厳正に対処すべきです。

 同氏は岸田派所属で、昨年の自民党総裁選では岸田氏当選のために奔走し、岸田総裁誕生の功労者の一人とされます。岸田首相も「わが派のムードメーカー」と評していたと言われます。自民党総裁としても派閥の長としても、岸田首相の説明責任は免れません。

 自民党は5月末、党のガバナンスコードを決定しました。策定の目的には「社会に対する透明性と説明責任を担保し、国民の信頼を確保、増進していくため」と掲げました。疑念を持たれた議員は国民への丁寧な説明を行うことなども盛り込んでいます。吉川氏をめぐる対応は、これらの規定から逸脱しています。自らが決めたルールすら守ろうとしない自民党の姿勢が厳しく問われます。

 細田博之衆院議長の女性記者などに対するセクハラ疑惑についても、自民党は不問に付しています。細田議長には選挙の時の運動員買収の疑惑も浮上しています。議長にふさわしくないだけでなく議員の資格にかかわります。不信任案を否決したからといって、解明は終わりません。全ての会派が細田氏に説明を求めるべきです。

自浄能力なき党に審判を

 自民党では所属議員に「政治とカネ」をめぐる疑惑や、政治家の資質・資格にかかわる不祥事が発覚すると、まともな説明もなく、離党でふたをするケースがほとんどです。首相や党幹部が「本人が説明する」「本人が判断する」と繰り返すのは、党としての責任逃れです。

 数々の疑惑や不祥事に対し自浄能力のない自民党に国民の声を託すことはできません。参院選での厳しい審判が必要です。


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