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2022年6月5日(日)

きょうの潮流

 「われわれは何をしているのか」。殺傷能力の高い銃による乱射事件の報が全米を震撼(しんかん)させるなか、連邦議会にマーフィー上院議員(民主党)の声が重く響きました。国民の命をなぜ守れないのか―という同僚への問い。1999年のコロラド州コロンバイン高校の事件以来、学校で銃暴力を目撃した生徒の数は約31万人に。米紙による集計です▼今回は南部テキサス州の小学校で19人の児童と教師2人が犠牲になりました。ニューヨーク州のスーパーで10人が殺害されてからわずか10日。「もうたくさんだ」と怒りが渦巻いています▼銃規制を阻む圧力団体「全米ライフル協会」(NRA)は、同じテキサス州で年次総会を強行し、トランプ前大統領が演説しました。同氏の講演中は、シークレットサービスの権限で会場への銃の持ち込みは禁止されました▼NRAから「F(失格)」と格付けされた議員の一人がマーフィー氏です。2012年に20人の子どもが命を奪われたコネティカット州ニュータウンは同氏の地元。銃規制の強化は、有権者から託された願いです▼隣国の事件を受け、カナダ政府は拳銃の全面禁止を発表。2年前の乱射事件後に、軍用ライフルは禁止されました。多数の犠牲が出る事件を経て、豪州、ニュージーランドでも銃規制に舵(かじ)を切っています▼NRAの総会議場前には、「銃擁護派を投票で追い出せ」と市民が詰めかけました。厳しい銃規制を求める声は国民の6割に。秋に中間選挙を控えます。米国の良識を示してほしい。


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