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2022年5月31日(火)

政党助成金ためこむ自民党の参院候補

磯崎官房副長官、朝日健太郎議員ら

2000万円超がズラリ

 細田博之衆院議長の「月100万円しかもらっていない」という発言や、「調査研究広報滞在費」(旧文通費)の使途公開問題など、国会議員への税金の支出のあり方が参院選を前に問われています。しかし、国会議員・政党にかかわる税金で最大のムダは、政党助成金です。政党助成金を使い残し、「基金」としてためこんでいる自民党の参院選候補者は―。(藤沢忠明)


 今回も立候補を予定している議員が代表を務める自民党支部の「政党交付金使途等報告書」(2020年分)を調べると山崎正昭元参院議長(福井)の約3015万円はじめ、山谷えり子元拉致問題担当相(比例)、磯崎仁彦官房副長官(香川)、朝日健太郎元国交政務官(東京)などが多額の「基金」をためこんでいました。(表参照)

 政党助成金は毎年、国民1人当たり250円、総額約320億円の税金が、日本共産党を除く各党に議席数などに応じて分配されています。自民党議員は、20年に党本部から5回にわたって計1300万円の政党助成金を受け取っています。

 使途等報告書によると、各支部は、人件費や事務所費などに支出、使い残したお金を「基金」としてため込んでいます。政党助成金は余ったら国庫に返納するのが原則ですが、「基金」の名で積み立て翌年に繰り越すことを可能にしている政党助成法の“返納逃れ”を使っているのです。

 鶏卵業者から多額の現金を受け取っていた吉川貴盛元農水相に有罪判決があったばかり。政治をカネの力でゆがめる企業・団体献金と、政党助成金の「二重取り」を続ける自民党が問われています。

おもな自民党参院選候補(現職)の政党助成金ため込み額

山谷えり子元拉致担当相(比例) 4312万1039円

青山繁晴党経済産業部会長代理(比例) 4094万2920円

磯崎仁彦官房副長官(香川) 2980万8581円

宇都隆史元外務副大臣(比例) 2669万6601円

朝日健太郎元国交政務官(東京) 2367万2146円

小川克巳前参院厚労委員長(比例) 1875万8802円

水落敏栄日本遺族会会長(比例) 956万8506円

阿達雅志元首相補佐官(比例) 819万 565円

松川るい元防衛政務官(大阪) 655万3161円

関口昌一党参院議員会長(埼玉) 525万7264円

 《注》政党交付金使途等報告書で作成

維新候補も

 「日本維新の会」の参院選に立候補する現職議員も、自分が支部長を務める政党支部で、「基金」としてためこんでいます。

 維新の各議員は、党本部から250万円ずつ計1000万円の政党助成金を受け取っています。

 このうち、使い残して200万円以上を「基金」としていたのは、片山大介・党国会議員団国対副委員長(兵庫)の1939万9050円など4人です。(表参照)

 大阪選挙区の浅田均、高木佳保里両氏も含まれています。

 同党の「身を切る改革」もあやしいものです。

日本維新の会参院選候補(現職)の政党助成金ため込み額(200万円以上)

片山大介 党国会議員団国対副委員長(兵庫) 1939万9050円

浅田均 党参院会長(大阪) 450万円

石井苗子 元キャスター(比例) 304万37円

高木佳保里 元堺市議(大阪) 200万円

 《注》政党交付金使途等報告書(2020年分)で作成


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