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2022年5月22日(日)

男女賃金格差の開示義務付け

運動・党の論戦が動かす

 岸田文雄首相は20日の「新しい資本主義実現会議」で、男女賃金格差の開示を企業に義務付ける方針を決めました。主要国で最悪水準にある日本の男女賃金格差の是正にむけた大きな一歩です。長年の運動と日本共産党議員団の論戦が事態を前に動かしました。


 開示を義務化するのは、上場・非上場を問わず301人以上を常時雇用する事業主で、1万7650社が対象。「女性活躍推進法」の省令を改正し7月に施行します。上場企業に対しては有価証券報告書での開示を義務付けます。

 日本の女性の賃金は正社員同士でも男性の約7割にとどまります。全体の男女の生涯賃金格差は約1億円にも上ります。男女賃金格差の是正はジェンダー平等の土台です。しかし、歴代の自民党政権は財界の意向に沿い、格差の実態を公表させることを拒み続けてきました。1999年には有価証券報告書で義務付けられていた男女別平均給与月額などの記載を省令で削除。2015年制定の女性活躍推進法でも開示は義務化されませんでした。

繰り返し要求

 日本共産党は、有価証券報告書や女性活躍推進法で男女賃金格差の情報を開示するよう繰り返し国会で論戦してきました。「ジェンダー平等」を明記した綱領を20年1月に決定し、21年の総選挙では賃金格差の是正をジェンダー平等政策の冒頭に掲げました。

 20年3月の参院予算委員会では小池晃書記局長が男女賃金格差の公表を義務づけるよう追及。田村智子政策委員長や大門みきし、いわぶち友両参院議員など議員団をあげて論陣をはってきました。山添拓参院議員は21年12月、女性活躍推進法に基づいて賃金格差について目標を掲げて公表している企業が約2万7000社のうち7社しかないことも明らかにし、実効性の乏しさを浮き彫りにしました。

 22年1月の衆院本会議では、賃金格差の実態公表の義務付けを迫った志位和夫委員長に対し、岸田首相が「有価証券報告書の開示項目にするなど、企業の開示ルールのあり方を具体的に検討していく」と答弁。女性活躍推進法の企業の必須開示項目に男女賃金格差を追加するよう検討するとも表明していました。

是正への一歩

 こうした論戦の積み重ねと世論・運動の力が、今回の方針につながりました。情報開示の義務付けは、賃金格差是正への第一歩です。政治の責任で、企業に格差をなくす具体策をとらせることが求められます。


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