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2022年4月13日(水)

シフト制に“ルール”

最低限の労働日数・時間 労使合意を

労組と共産党 政府動かす

厚労省が留意事項

 コロナ禍で、休業手当不払いや一方的なシフトカットが社会問題となった「シフト制労働者」の労働契約について、厚労省は、「いわゆる『シフト制』により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項」をまとめました。最低限の労働日数・時間数などを労使合意するよう呼びかけるなど、労働組合と日本共産党が力を合わせた運動で一歩前進させました。

 「留意事項」は今年に入り作成。現行の労働基準法や労働契約法のもとで使用者が留意すべきシフト制労働のルールをまとめています。

 契約の締結時、使用者には賃金、労働時間など労働条件を明示する義務があり、労働条件通知書や就業規則に単に「シフトによる」とだけ記載するのでは不十分だと指摘。原則的な始業・終業時刻を記載したり、一定期間のシフト表を労働者に渡すなどの対応が必要だとしています。一方的なシフトカットや変更に歯止めをかけることにつながります。

 シフト作成・変更について、「使用者が一方的にシフトを決めることは望ましくなく、使用者と労働者で話し合ってシフトの決定に関するルールを定めておく」と呼びかけ、一定期間で最低限労働する日数・時間数を合意しておくとしています。

 休業手当について、使用者の故意や過失に限定されず、経営、管理上の障害が発生した場合も支払いが必要だとしています。

 シフト制労働者の休業補償については、首都圏青年ユニオンと日本共産党国会議員団が厚労省要請などでコロナ休業支援金の拡充などを実現してきました。宮本徹衆院議員と山下芳生参院議員(副委員長)は2021年3月の国会質問で、欧州連合(EU)を参考にシフト制の法規制強化を求め、田村憲久厚労相(当時)から「研究したい。調査する」との答弁を引き出していました。

 首都圏青年ユニオンの原田仁希委員長は、「厚労省が『留意事項』をまとめたことは歓迎しています。最低限の労働日数・時間数の労使合意などを現場で活用したい。今後も、抜本的な規制強化を求めていきます」と話しています。(田代正則)

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