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2022年2月10日(木)

きょうの潮流

 本紙「読者の広場」に載った投書をふと思い出しました。「私の父は国鉄線路班一筋で私たちを育ててくれました」で始まる一編▼「子どもの頃、ドカ雪が降ると、その線路の除雪で日夜ラッセル車を走らせ、何日も帰ってこない父の姿が今でも脳裏にあります」。豪雪下、鉄路を守る保線労働者の苦闘がしのばれます▼記録的な大雪で札幌圏のJRすべての列車が7日、8日の2日間も終日運休する異常事態。通勤・通学の足はもとより空港と札幌駅を結ぶ主要路線も止まり、市民生活は大打撃を被りました▼札幌市の24時間降雪量が60センチ、最大積雪深は130センチ超。短時間に大量の降雪があり、除雪が間に合わなかった―JR北海道は説明します。しかし、道内では先月も除雪の遅れのため大規模な運休がしばしば発生しています▼大雪・暴風雪の常襲地で“住民の足”がこんなに脆弱(ぜいじゃく)でいいのだろうか。JR北海道に問われるのは、鉄道網を道民のくらしを支える公共インフラとして守る責任です。北海道新幹線の札幌延伸を強行する一方で、赤字を理由に路線は切り捨てる体質と重なります▼今回の大雪は通常と違い、北方からの風が札幌周辺に流れ込んだためといいます。夏場に各地で頻発した数十年に一度の集中豪雨と同様、これも異常気象の仕業だとすれば、なおのこと備えが大切です。10日は関東首都圏にも大雪の恐れがあり、東京23区など平野部でも積雪の可能性があるといいます。雪に不慣れな地はそれなりの備えが求められます。


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