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2022年2月8日(火)

在日米軍のコロナ対策 赤嶺氏の追及

国内の検疫法適用させよ

衆院予算委

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(写真)衆院予算委で質問する赤嶺政賢議員=7日

 日本共産党の赤嶺政賢議員は7日の衆院予算委員会で、在日米軍の新型コロナウイルス対策について日本政府の責任を追及し、在日米軍に検疫法などの国内法を適用するよう求めました。

日米 百八十度異なる説明

事実あいまいにするな

 昨年9月に米軍が日本に入国する際の出国前検査の免除などコロナ対策を緩和していたことを、政府は当初から知っていた―。

 本紙日曜版がスクープした米軍の「検査なし入国」の事実です。NHKも同様の内容を2日に報じました。政府はこれまで「確認したのは(昨年)12月24日だ」と述べていましたが、日曜版編集部が在日米軍司令部に取材したところ、「いうまでもなく、日本政府に情報を提供してきた」と回答。「9月末までにか」との質問にも「イエス」と答えました。情報を提供したという米軍と、提供されていないという日本政府の説明が百八十度異なる事態となりました。外務省はその後、4日の会見で同省にも同様の回答があったことを明らかにしました。

 赤嶺氏は出国前の検査の免除について、「米軍はいつ、どの場で(情報)提供したといっているのか」と追及。林芳正外相は、政府が確認したのは12月24日だとして、米側が外務省に通知していたとの認識については「われわれとしてはそのような認識は持っていなかった」と答えました。赤嶺氏は「事実関係をあいまいにするのではなく、どこに問題があったのかはっきりさせるべきだ」とただしました。

合同委の議事録公開せよ

国民の命に関わる問題

 米軍基地に関わる問題を両政府間で協議する場が日米合同委員会です。岸田首相や林外相は、米軍のコロナ対策の協議は昨年8月から12月までの間に5回開催されたことを明らかにする一方、開催日時や場所、協議事項など詳細は答えませんでした。

 赤嶺氏が5回の日米合同委員会の日時・場所・内容の報告を要求すると、林外相は日付と場所について、初めて答弁(別項)。秘密のベールに包まれている合同委員会の一端が明らかになりました。ただ、協議内容については「米側との関係もあり、差し控えたい」と繰り返し答弁を避けました。

外務省が明らかにした日米合同委員会の開催状況(昨年8月~12月)

8月26日  ビデオ会議方式

9月22日  外務省

10月21日 ニューサンノー米軍センター

11月17日 同

12月16日 外務省

 赤嶺氏は、検査を免除した9月にも合同委員会が開かれているとした上で、「軍事機密を明らかにしろと言っているのではない。国民の命が関わっている」と追及。「合同委員会で新たに設けられた委員会(検疫・保健分科委員会)で議論を続けていく」とまともに答えない岸田首相に対し、赤嶺氏は、米軍基地でクラスターが発生し市中感染が広がったと指摘し、「あの恐怖心を理解できないのか。責任の一端も感じられない」と厳しく批判しました。

 さらに赤嶺氏は、「米側はコロナ対策をめぐる国防総省の方針などを説明しただけで、出国前検査の免除と明言したわけではなかった」と報じられていることをあげて、「合同委員会でのやりとりがこんないいかげんなものかという疑いを持つ」と強調。政府が議事録公表には日米双方の同意が必要としていることについて、「逆に言えば、双方が同意すれば公開できる」と指摘し、昨年8月から12月までの日米合同委員会の議事録の提出を求めました。

植民地的ではないか

日本から国外は検査あり

 一般人は民間空港から入国する際、出国前だけでなく入国直後の検査も義務付けられています。しかし、米軍は、独自の判断で出国前検査を免除しただけでなく、入国直後の検査はそもそも実施していませんでした。

 赤嶺氏は、米軍のコロナ対策は日本側と整合的な措置をとっていると繰り返す日本政府の説明について、「判断するのはあくまで米軍で、日本政府は日本側のとっている措置を必死に説明して『整合的な措置』をとってもらえるようお願いしているのが現状だ」と指摘。米軍の資料(下)を示し、米軍が日本に向かう際の出国前検査を免除していた一方、日本から米本国・韓国などに向かう米軍関係者の出国前検査は継続していたこともあげ、「本当に植民地的だ。米側にお願いするのではなく、米軍に検疫法など国内法を適用することが必要だ」と迫りました。

 林外相は「一つ一つの具体的な問題に対応してきている」などと強弁。赤嶺氏は「米軍にも日本の検疫法を適用し、合同委員会の議事録をすべて本委員会に提出すべきだ」と強調しました。

出典:フェイスブック「Yokota Passenger Terminal」(2021年12月4日)から

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米軍横田基地(東京都)の旅客ターミナルが昨年12月以降、フェイスブックで公表している資料。昨年までは米本土から日本に出国する際にはPCR検査が免除されていたにもかかわらず、横田基地から米本土に戻る際、あるいは韓国や英領ディエゴガルシアに渡航する際は出国前検査を義務づけています


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