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2022年2月4日(金)

オミクロン株対策

“なりゆきまかせ”でなく命守るパッケージ示せ

志位委員長が会見

 日本共産党の志位和夫委員長は3日、国会内で記者会見し、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大に伴う救急搬送困難事案や死者数の急増などを示し、岸田政権の対応について「一言でいえば“なりゆきまかせ”に終始している」と強く批判しました。その上で、ワクチン、検査、医療、暮らしの問題への対応を含め「オミクロン株の特性を踏まえた戦略的な命を守る方策の全体像をパッケージで速やかに出すよう強く求めたい」と表明しました。


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(写真)記者会見する志位和夫委員長=3日、国会内

 志位氏は、ワクチン接種のブースター(3回目)接種率がいまだに4・0%と経済協力開発機構(OECD)でダントツ最下位が続き、国会で1日の接種目標を持つようにとの当然の提起をしたのに対しても、岸田文雄首相は「目標は持たない」と平気で答弁したと指摘しました。また、全国でPCR検査を受けられず多くの人が苦しんでいるもとで、1日38万件にすぎない検査能力の抜本的引き上げの目標を持つようにとの提起に対して、後藤茂之厚生労働相が「目標は持たない」と答弁するなど、いずれも“なりゆきまかせ”で、打開の目標も手だても持っていない現状を批判しました。

 医療の問題でも、救急搬送困難事案がコロナ前の2019年に比べ、第1波のピーク時では1・89倍に、第2波では1・82倍、第3波で2・28倍、第4波で2・1倍、第5波で3・7倍、現下の第6波ではすでに4・82倍に急増している実態(グラフ=総務省消防庁調べ)を示し、「救急医療の崩壊が始まっているのに、これへの手当てがされていない」と述べました。

 その上で、「オミクロンという新しい変異株の特徴を踏まえた新しいパッケージでの戦略が必要なのに、それを持っていないというのは深刻な問題だ」と強調。全国知事会の緊急提言(1月28日)でも、政府が昨年11月12日に公表した「次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像」を、オミクロン株による感染拡大状況を踏まえた方針に見直すよう要請したのに、首相官邸のホームページではいまだに「取組の全体像」が更新されていないのは「非常に大きな問題だ」と重ねて批判しました。

 志位氏は、オミクロン株の感染拡大の特徴として、北海道では1月の重症者はゼロだったのに死者が27人に上っているなど、重症者と比較して死者が多いことを指摘。2月2日の全国のデータでは、重症者886人に対し死者は82人に達しており、第5波のピーク時と比較すると重症者数は3分の1なのに同水準の死者が出ていることを重大視する必要があると述べました。

 重症を経ないでも内臓疾患が悪化するなどで亡くなる――これが新しい特徴だと指摘されているとして、「いま政府は主に重症者の数をいろいろな判断基準の基本に置いているが、それでいいのかが問われている」「亡くなる方を減らすというのが一番大事で、それを一番の基準に置くべきだ」と強調しました。

 志位氏は「“なりゆきまかせ”で、何か一つ問題が起こったらびほう策をとるという繰り返しでは命は救えない」と強調。「オミクロン株という変異株の新しい特徴を踏まえて、ワクチン、検査、医療、暮らしの問題も含めた対応策の全体像をパッケージで国会に提示し、徹底的に国民の前で議論することが必要だ」と主張しました。

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