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2022年1月30日(日)

きょうの潮流

 受験の季節です。新型コロナの感染拡大に不安を抱えながら自ら決めた進路に向けて努力する受験生たち。ベストを尽くせるよう心から願っています▼それにしても大学入試にかかる費用の高さには驚きます。私立大学の受験料は1回約3万5千円。受ける数を減らす人も少なくありません。ある母親は「息子は何校か受けたいと言う。悔いのないように挑戦してほしいが経済的には厳しい」と話します▼追い打ちをかけるのが入学金です。特に、第1志望の合格発表より早く納入期限が設定されている、私立大学の入学金が重い負担となっています。全国大学生活協同組合連合会の調査では、入学しない大学に払った額は平均約30万円にものぼります▼簡単に払える額ではありません。子どもにも「親に25万円払ってもらったが別の大学に入り大金を捨てることになってしまった。申し訳ない」など心の負担となっています▼こうした現状を変えようと昨年、大学生らが有志の会を結成し入学金の見直しなどを求めました。発起人の五十嵐悠真さんは本紙の取材に「入学金がなくなることで大学経営に影響が出るのであれば、その分は公費を投入するべきだ」と訴えていました▼大学の入学金制度は他の先進国にはなく、ドイツやフランスなどは授業料も無料です。重い教育費が子どもの夢や可能性をつぶしている、日本の異常さを痛感します。子どもたちの学びと希望を、自己責任ではなく政治の責任で守れる国に。そんな春の訪れを、一日も早く。


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