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2022年1月24日(月)

相談・配給 延びる列

困窮者支援団体「弱者が調整弁にされている」

 新型コロナ感染症が確認されて2年が過ぎました。東京都内で22日、生活困窮者の支援団体が取り組んだ食料などの配布や生活相談には、厳しい寒さにもかかわらず会場からあふれるほどの人たちが訪れました。(新井水和、津久井佑希、松沼環、林直子)

新宿 「人増え、子連れ目立つ」

 新宿区の都庁下で「新宿ごはんプラス」が行う食料品配布と生活相談。開始1時間前、すでに200人が列をなしました。食料品は開始15分で全てなくなり、過去最多の552人が受け取りました。約70人から相談がありました。

 朝7時から並んでいるという人は「私はきょうが初めて。5時から並ぶ人もいました。先頭にいれば2巡できる日もあるらしくて」と話します。

 この日が2回目という女性(47)は、障害年金と生活保護を利用します。「いろいろ値上がりしていて、保護費が増えるといいのですが」。女性と訪れた男性(47)は、興行系の仕事をしています。「一昨年はコロナ以降、仕事が全てキャンセルになりました。昨年からは本業ではない仕事も受けていますが、貯金を取り崩しています」

 中野区の男性(56)はコロナ禍でIT系企業から解雇され、雇用保険は約1年前に切れました。「会社の顧客は不動産などの業者が多く、コロナの影響を大きく受けてしまいました。年齢のせいか思うような仕事がありません」

 ボランティアの一人(23)は「ここ1カ月で、人数が圧倒的に増えましたね。医療相談も増えた。小さいお子さん連れも今回目立ちました」と指摘します。

 「新宿ごはんプラス」の大西連共同代表(自立生活サポートセンター・もやい理事長)は「あらゆる業種で失業や収入減が起きており、非正規労働者などの弱者が調整弁にされています。その人たちがコロナが2年も続く中で、いよいよきつくなっているのではないか」と話しました。

池袋 「働き盛りの人多くいる」

 「お弁当は全員分あります。配布が始まっても走らないで」。ハンドマイクを通し、「TENOHASI(てのはし)」のスタッフの声が豊島区・東池袋の公園に響きます。寝袋を背負う人、子連れ、スーツケースをもった人の姿が。

 「ちゃんと働けないのがつらい。仕事がないから、先が見えない」。そう話すのは、いまは派遣で働く50代男性=東京都豊島区=。正社員で物流の仕事をしていましたが、コロナでリストラされました。「楽しみなことといえば、たまに入るお風呂くらい。現金給付があればありがたい。一番は、早く感染が収束し、仕事を得たい」

 65歳の女性は昨年の正月から安定した住まいがありません。夜中まで営業するファストフード店を転々とし、路上で夜を明かすことも。「極寒の寒さです。コロナの怖さ、暗い中一人でいる怖さ、ずっと怖いんです」

 路上生活の男性(49)は「いま一番考えているのは、早くこの生活から脱出すること」と話します。18歳で千葉県から上京。8年ほど建設業などで働いてきましたが、対人関係が嫌になり、18年以上路上生活を続けます。「実はいま執行猶予中なんだよ」と声を落とし、「早く就職しないと、また悪いことに手を染めてしまう気がして」と不安げに語りました。

 「てのはし」の清野(せいの)賢司代表理事は、年末年始と比べてこの日は「どっと人が増えた。相変わらず高齢者は多いが、その中に働き盛りの世代の人も多くいる」と指摘します。この日は496人に弁当を配布しました。

 清野さんは「路上生活者はコロナにかかったら療養できない。都に対策を求めたが『福祉事業所に相談しろ』と言われた」と危機感を表します。「路上生活者への体制整備のための予算をつけてほしい。感染した路上生活者のためのホテルを一定数用意すべきです」


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