しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年1月18日(火)

日本共産党国会議員団総会

志位委員長のあいさつ

 日本共産党の志位和夫委員長が17日の国会議員団総会で行った通常国会開会に当たってのあいさつは、次のとおりです。


 みなさん。おはようございます(「おはようございます」の声)。連日のご奮闘に心からの敬意を表します。通常国会の開会にあたりまして、ごあいさつを申し上げます。

 この国会は、岸田政権との初めての本格的論戦の国会になります。また、7月の参議院議員選挙に直結する国会としても、たいへんに重要な国会となります。衆参の国会議員団が力をあわせて、国民の期待にこたえて、元気いっぱい奮闘する決意を、まず固めあいたいと思います。(拍手)

新型コロナ・オミクロン株から命を守る――二つの点に留意して論戦を

写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=17日、参院議員会館

 新型コロナのオミクロン株から国民の命を守ることは、この国会の最優先の課題であります。

 わが党としては、次の二つの点に留意をして論戦にとりくみたいと思います。

後手後手の政府対応――問題点を厳しく指摘しつつ、積極的提案を示し、実行を迫る

 第一に、岸田(文雄)首相は、「スピード感」をもって対応してきたと自画自賛をしておりますが、何もかもが遅れている、後手後手になっているというのが実態ではないでしょうか。

 ワクチン3回目接種の到達点は、人口比で0・9%とたいへんに遅れています。OECD(経済協力開発機構)36カ国でダントツ最下位が日本であります。検査体制、医療・保健所体制の強化も遅れています。これらが全体として自治体まかせになっているのが大きな問題点です。米軍基地が水際対策の「大穴」となっていることも大問題であります。(「そうだ」の声)

 論戦にあたっては、これらの政府の対応の問題点を事実にそくして厳しく指摘しつつ、日本共産党の積極的提案を示し、実行を政府に迫っていく――こうした基本姿勢に立って奮闘したいと思います。

多くの未知の問題点――科学的知見と現場に学び、方針を発展させる

 第二に、オミクロン株は、これまでの変異株とは違う性格をもち、正体が分かっていない未知の問題点も多くあるということです。

 たとえば、感染スピードがあまりに速いために、エッセンシャルワーカーの逼迫(ひっぱく)が起こってしまうというのは、これまで経験したことのない新しい問題であります。

 それから、いま十分な根拠もなしに、このウイルスを季節性インフルエンザと同じ扱いにするという議論がありますが、これは危険な議論と言わなければなりません。

 日本共産党としてこの問題にとりくむうえでは、内外の科学的知見につねに学ぶとともに、現場で起こっている問題につねに学んでいきたい。科学的知見と現場に学ぶ――この立場で方針を発展させていきたいと思います。

 みなさん。科学の党、草の根に組織を持つ党としての真価を発揮して、国民の命を守るために奮闘しようではありませんか。(拍手)

「戦争する国」づくりに断固反対、東アジアに平和をつくる外交提案を掲げて

 岸田政権との論戦をどうすすめるか。

 一部メディアは、「野党にとって岸田政権は攻めづらい政権だ」などということを言っておりますが、そんなことは決してありません。

 なぜならば、いうまでもないことですが、この政権は自民党政権だからです。異常なアメリカ言いなり、財界中心という自民党政治の本質は、岸田政権でいささかなりとも変わることはありません。それどころか、これまでの政治をよりひどくする、さまざまな問題点も明らかになりつつあります。

“相手を殲滅する打撃力を”――敵基地攻撃とは、結局ここに行き着く

 異常なアメリカ言いなりという点では、岸田政権が、敵基地攻撃能力の保有検討を打ち出し、1月7日に行われた日米の外交・防衛の「2プラス2」でこれを「対米公約」にしたことは、きわめて重大であります。

 この問題にかかわって、安倍(晋三)元首相は、昨年11月の講演で、“敵基地だけに限定せず、「抑止力」として相手を殲滅(せんめつ)するような打撃力をもたなければ日米同盟はなりたたない”という趣旨の発言をしています。これは、“いざというときは、相手国を殲滅するような全面戦争を行う。そのための軍事力をもて”ということにほかなりません。こんな議論が「戦争放棄」をうたった日本国憲法と絶対に両立しないことは明らかではありませんか。敵基地攻撃能力とは、その矛先が敵基地だけに限定されず、結局ここに行き着くのではないか。この点も論戦で追及していきたいと思います。

 みなさん。敵基地攻撃能力の保有、6兆円を超える空前の大軍拡、憲法9条改定など、アメリカに追従して、日本を「戦争する国」にする動きに、断固反対を貫いて奮闘しようではありませんか。(拍手)

東アジアを平和と協力の地域にしていく外交提案――論戦でも外交活動でも重視して

 そのさい、どうやって東アジアを平和と協力の地域にしていくか。日本共産党としての抜本的な対案―外交提案を大いに示していくことを訴えたいと思います。

 私は、1月4日の「党旗びらき」のあいさつで、日本政府がいまやるべきは、敵基地攻撃などという物騒な話じゃない。ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国と手を携えて、東アジアサミット=EASという、すでにつくられている平和の枠組みを活用・発展させて、東アジアを平和と協力の地域にしていくための、憲法9条を生かした平和外交だと訴えました。国会でもこうした問題提起をしていきたいと思います。

 党の国際活動としても、この問題を重視してとりくみたいと思います。わが党の外交提案は、この間、インドネシア大使館、韓国大使館などを訪問し、またベトナム共産党とのオンライン会談で、関係各国にもお伝えしてきましたが、こうした活動も大いに強めていきたいと思います。

 「戦争する国」づくりの危険な策動に断固反対を貫きながら、日本共産党としての東アジアに平和をつくる積極的対案を堂々と掲げて頑張りぬこうではありませんか。(拍手)

新自由主義を転換して“やさしく強い経済”をつくろう

 異常な財界中心という問題点を、岸田首相が言う「新しい資本主義」なるものとの関係でも、ただしていきたいと思います。

「新自由主義の弊害」(首相)――歴代自民党政権の政策を反省・転換する意思があるか

 「新しい資本主義」といいますが、『文芸春秋』に岸田首相の論文が出ておりましたので拝見しましたが、その中身は新しくも何ともありません。従来の新自由主義、破綻した新自由主義を継続したうえで、財界応援の政治をよりいっそうひどくする、これが中身です。半導体企業を台湾から呼び込むために4000億円もの血税を注ぎ込むとんでもない計画を進めようとしていることもその一つの象徴です。

 ただ、言葉のうえだけでも、岸田首相が、「新自由主義の弊害」を述べざるを得なくなっていることは、新しい矛盾を抱えることになりました。「新自由主義の弊害」というならば、この日本で、歴代自民党政権によって行われてきた新自由主義的政策――労働法制の規制緩和、社会保障の連続削減、大企業・富裕層減税と一体の消費税の連続大増税、これらがもたらした「弊害」をどう認識しているのか、その反省があるのか、それを転換する意思があるのか、これらが厳しく問われることになります。国会論戦で、これらの点を追及していきたいと思います。

雇用、社会保障、税制、環境、ジェンダー――“やさしく強い経済”を

 そして、ここでも日本共産党の抜本的対案を大いに示していきたいと思います。

 新自由主義は、日本社会を「自己責任」押し付けの“冷たい社会”にしてしまっただけではありません。日本経済を“もろく弱い経済”にしてしまいました。「賃金が上がらない国」「成長ができない国」「競争力が弱い国」にしてしまいました。このことを大きく告発しながら、雇用、社会保障、税制、環境、ジェンダー――あらゆる分野で新自由主義を根本から転換して、“やさしく強い経済”をつくろう――わが党の対案を大いに示していきたいと思います。

 みなさん。異常なアメリカ言いなり、財界中心の政治をただすというわが党綱領路線の根本に立って、岸田政権と正面から対決し、外交でも、内政でも、多くの国民のみなさんからみて安心できる、また希望がもてる、そして新鮮な抜本的対案を示す――そういうスケールの大きな論戦を堂々と展開しようではありませんか。(拍手)

腐敗体質と強権体質を継続――厳しく追及していく

 みなさん。岸田政権は、腐敗体質と強権体質でも、安倍・菅政権と何ら変わるところはありません。

 岸田首相が、森友事件、「桜を見る会」疑惑、河井(克行、案里)夫妻の巨額買収事件など、数々の政治腐敗疑惑について、すべての疑惑にフタをする姿勢をとっている、幕引きしようとしている姿勢をあらわにしている。絶対に許すわけにはいきません。統計改ざん問題も含めて、国会での真相の徹底的究明を進めようではありませんか。

 強権体質でも、沖縄に対する辺野古新基地建設のゴリ押し、日本学術会議への違憲・違法な人事介入の継続などに象徴されるように、その強権体質はまったく変わるところがありません。厳しく追及していきます。

 とりわけ、今年は沖縄が本土に復帰して50年の節目の年です。いまたたかわれている名護市長選挙、南城市長選挙の勝利をはじめ、「オール沖縄」のたたかいに連帯する論戦に大いにとりくもうではありませんか。(拍手)

日本共産党ならではの論戦を展開し、参院選勝利・躍進の道を開こう

 いま全党は、4中総決定にもとづいて、7月の参院選勝利・躍進にむけた活動に全力をあげております。

 今日、みなさんにお配りしていますが、新しいリーフレット――「安保条約、自衛隊、天皇、共産主義……あなたの『?』におこたえします 日本共産党綱領の話」を、間もなく全国にお届けします。

 このリーフレットは、4中総決定の具体化の一つとして作成したものですが、安保条約、自衛隊、天皇の制度、社会主義・共産主義など、わが党の綱領路線の中心点をわかりやすく、そして相手の攻撃にかみ合って明らかにしております。社会発展のどんな段階も、エスカレーター式ではなくて、階段を一歩一歩上るように、国民多数の合意で進めていく、平和的・合法的に進めていくという日本共産党の立場を示しております。このリーフレットも大いに活用して参議院選挙躍進に向けた活動を発展させたいと思います。

 全国の同志のみなさんと心を一つに、日本共産党ならではの値打ちが輝く論戦を展開し、参議院選挙勝利・躍進に道を開く国会にするために頑張りぬくことを最後に誓い合いまして、開会に当たってのごあいさつといたします。ともに頑張りましょう。(大きな拍手)


pageup