しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年1月7日(金)

感染大爆発 米軍が命・経済脅かす

新基地ノー 岸本市長実現ぜひ

16日告示 沖縄・名護市長選

 在沖縄米軍基地で発生したクラスター(感染者集団)から新型コロナウイルスの市中感染が大爆発し、基地が県民の命と暮らし、経済を脅かすことが、誰の目にも明らかになりました。今年最初の政治決戦となる名護市長選(16日告示、23日投票)で「辺野古新基地を決して認めない」と訴える「オール沖縄」・岸本ようへい予定候補の勝利が、どうしても必要になっています。


写真

(写真)新年のあいさつをする岸本ようへい予定候補=1日、沖縄県名護市

米軍由来明らか

 「県内の感染拡大は米軍由来」。玉城デニー知事は2日の記者会見で、新変異株「オミクロン株」が米軍基地から市中に広がったことを国立感染症研究所の解析結果をもとに示し、「米軍の危機意識の欠如に怒りを覚える」と表明しました。

 昨年12月17日、米本土からキャンプ・ハンセン(同県金武町など)に配備された部隊で100人を超えるクラスターが発覚。以来、基地と県民双方で文字通りの感染爆発が起こり(表)、県は9日からの「まん延防止等重点措置」の適用を要請せざるをえなくなりました。医療体制逼迫(ひっぱく)の危機が迫り、成人式が急きょ中止になるなど、深刻な事態が広がっています。

 最大の問題は、日米地位協定により在日米軍関係者には一切の国内法が適用されないことです。日本政府は外国人の入国を原則禁止していますが、米軍関係者は出入国管理も検疫も受けず、旅券も持たずに基地から入国し、日本全土を自由に闊歩(かっぽ)できます。

 日本は、米兵・軍属・家族合わせて約10万人が駐留する世界最大の「米軍基地国家」です。そして、その約半数が沖縄県に集中しています。しかも、沖縄の主力部隊である海兵隊は、実動部隊をおおむね6カ月で交代配備しているため、今後も米本土から感染が直接持ち込まれる危険が継続するのです。

図

岸本氏きっぱり

 これを名護市にあてはめたらどうなるか。辺野古新基地建設で米兵・軍属は約3200人増え、感染症に加え、事件・事故のリスクも高まります。それだけに、基地に対して毅然(きぜん)とした対応を取れることが、市民の命と暮らしを守る市長の不可欠の資質です。

 岸本氏は「辺野古の海にも陸にも新基地を造らせない」と表明し、新基地ノーを訴え続けてきた稲嶺前市政を与党市議として支えてきました。市長選への立候補表明後も「子や孫の未来、名護市の未来を守るため、辺野古新基地建設を認めない」とはっきり表明しています。

 さらに、コロナ感染についても「しっかりモノを申していく」(5日、日本共産党主催の集い)と力強く訴えました。

現市長の本音は

 一方、政府・自公丸抱えの現市長は4年間「国と県との係争を見守る」などと述べ、辺野古新基地への賛否の表明を避け続けてきました。しかし、新基地建設と引き換えの米軍再編交付金はしっかり受け取ってきました。「頭隠して尻隠さず」です。

 しかも、新基地推進という本音も日増しに明らかになっています。現市長は、20年4月に軟弱地盤の改良のため国が県に提出した辺野古新基地の設計変更申請に対して「異議なし」(同年12月議会)と表明。埋め立て区域に流れる美謝川の水路切り替え問題では、稲嶺前市政が市の条例に従い「協議が必要」としていたのに対し、昨年5月、「協議は不要」として容認しました。

 昨年12月に発表した政策では、4年前に掲げていた「海兵隊の県外・国外移転」も消えるなど、立場はいっそう鮮明になっています。

 19年2月の県民投票では、名護市の投票者のうち73%が新基地反対に投票しました。民意ではすでに決着がついており、技術的にも新基地の完成は不可能です。「国と県の係争」以前に、こうした市民の声に従うことこそ、市長がとるべき態度です。

写真

(写真)新基地建設が強行されている辺野古・大浦湾=沖縄県名護市(許可を得て小型無人機で撮影)

基地は攻撃目標

 米中対立の激化により、基地が攻撃目標とされ、周辺住民の安全が脅かされるリスクが高まっていることも重大です。17年6月に米海軍のシュガート大佐らがまとめた報告書「先制攻撃・アジアの米国拠点に対する中国のミサイルの脅威」は、撃墜不可能な最新弾道ミサイルの攻撃範囲内に日本中の米軍基地が入ると指摘。滑走路の破壊のため「地中貫通型爆弾が使用される」と指摘しています。滑走路2本を有する辺野古新基地は最重要の標的となるのです。

 米中対立を避けるための平和の枠組みをつくる努力をするとともに、「軍事対軍事」の悪循環を生み出す基地の増強を許してはなりません。

自民、争点そらし躍起

写真

 自民党の1枚の新聞折り込みチラシが話題になっています(写真)。「名護市が抱える課題は、基地問題だけではありません」と大書。争点そらしに躍起になっていることがうかがえます。しかし、このチラシそのものが、逆に基地問題が重要課題であることを浮き彫りにしています。

 市政の課題は当然、さまざまです。しかし、基地問題を一切無視して名護市政を語ることはできません。


pageup