しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年12月23日(木)

「特別期間」の飛躍をどうはかるか――全国の経験に学んで

12月22日 幹部会副委員長 山下芳生

 山下芳生副委員長が22日行った「訴え」は、次のとおりです。


写真

(写真)訴える山下芳生副委員長=22日、党本部

 寒気が厳しくなり、大雪に見舞われる地域もある中、奮闘されている全党のみなさんに心から敬意を表します。

 7日の常任幹部会の「訴え」、8日の私の「訴え」で提起した「4中総徹底と反転攻勢めざす特別期間」のとりくみを正面から受け止めていただき、“置いてきぼりの仲間を残さない”という決意で第4回中央委員会総会決定の討議や読了をすすめている党組織、“段階論にせず、ただちに実践に踏み出そう”“いまこそ国民の中にうってでて反共攻撃をはねかえそう”と、たちあがる党組織が生まれていることに、私も大変励まされています。

 今日、重ねての訴えを行うのは、4中総徹底をどうすすめるか、反転攻勢のとりくみ、とくに「しんぶん赤旗」読者拡大と世代的継承を中軸とする党員拡大でどう前進するか、全国のすぐれた経験をみなさんにお伝えし、「特別期間」の運動の飛躍をつくりだしていくためです。

4中総決定の力に確信をもち、“4中総と私”を語る徹底運動に

 まず、「特別期間」の第一の目標、4中総徹底についてです。

 全国で、支部での討議・具体化、全党員への届けと読了がすすんでいますが、「常幹声明」などを読んでもスッキリしなかったという人も含めて、「何を食べても元気がでなかったのに、4中総はスルスルと入り、スッキリした」「日本共産党のすばらしさ、綱領路線の正確さに改めて確信をもち、党員であって良かったと率直に思いました」など、4中総を読んで深い確信、展望がもてたという受け止めが共通しています。

 この4中総をどう全党に徹底していくか。8日の私の「訴え」では、「“4中総と私”を語る壮大な徹底運動にしていこう」とよびかけましたが、このとりくみが力を発揮しつつあります。

 福島県では、「『4中総と私』を語る運動はいい」「まだ読み始めていない人の背中を押そう」と、まず県委員長、地区委員長自身が手記を書き、県委員会のニュースに「私と4中総」のコーナーを設けて順次紹介しています。ニュースを出すと支部からも反応があり、ある党員は自主的に感想を寄せてくれました。「今回の4中総決定は、一歩足を踏み出すきっかけとなりました…自分にできることはないかと見本紙を郵送し、電話で購読を訴えることにしました」と読者拡大に踏み出し、コラム「風知草」を掲載したあの毎日新聞の読者に「赤旗」を増やしたことも書かれていたそうです。

 長崎県南部地区の中央支部では、支部員8人の感想を支部ニュースで紹介し、交流しながら討議・具体化をすすめています。ニュースのタイトルは、「誰かがやるのではなく みんなでやる――はじめの一歩 前へ」。支部員の感想では、「政治対決の弁証法、少し理解できました。…2021年総選挙(での)攻防のプロセス(というとらえ方)は、私たちに希望を与え、地をはってでも頑張らなければいけない情勢だと教えられました」「世代的継承については、一人ひとりの党員がつきつけられている課題なので、地道に働きかけていきたい」と、思い思いの言葉で、4中総の感想や参院選への決意がつづられています。

「かめばかむほど、スルメのように」――4中総をくりかえし討議し、理解を深めよう

 同時に、ふに落ちるまで、くりかえし討議していくことが重要です。

 各県からいただいた報告でも、1回の討議では4中総全体をつかみきれなかったり、疑問や意見が出されても、2回、3回とくりかえし討議するなかで、前向きな討議になっています。結語も含め、4中総全体をしっかり読んで討議すれば、出される疑問や意見も解決し、どんどん理解が深められる決定になっているということが、共通しています。「4中総は、スルメのように、かめばかむほど味わいがある」との報告も寄せられました。

 東京では、総選挙がどういう選挙だったか、「政治対決の弁証法」の意味が初めはわからなくても、幹部会報告とあわせて、結語まで読み合わせ、理解を深めることを重視しています。そのなかで、「今回の敗北を、単に『悪い時も良い時もある』という平面的なとらえ方でなく、支配勢力を野党共闘で追い込んだ中で相手が必死で反撃してきたというとらえ方に納得感がある」「自公を攻めたことが反共攻撃にあらわれたのだと思う。…反共(攻撃)は(わが党の)前進を阻む敵の攻撃。100年も耐えてきた党の誇りをかけて参院選をたたかいたい」と、議論が深められ、参院選勝利をめざす決意が広がっています。

 石川からは、「あなたも含めて全党の努力で新しいステージにのぼることができた。しかし支部で公示前までに躍進の力強い流れをつくれたか、自力をつけてたたかう点でどうだったか」と、ともに考えていく姿勢で提起し、自らの活動に引き寄せて感想が出されるようになったと報告されています。「650万票、10%以上」に見合う得票目標についても、「今度こそ得票目標やりきろう、そのために訪問活動に毎月とりくもう」と、本気で実現する目標として議論する支部が生まれています。

 “4中総はすごい力をもった決定だ”――これが、全国の討議・読了の最大の特徴です。

 全国の討議・具体化支部は55・9%、党員の読了は23・9%、届けた党員は51・2%です。まだ多くの党員に4中総が届いていません。多くの支部や党員が、選挙結果への「がっかり感」を抱えたままになっています。“4中総と私”をおおいに語り、2回3回と繰り返し読み、討議して、4中総につまった確信、希望と展望を広げに広げていく運動にしようではありませんか。

反転攻勢、党勢拡大――党の財政上の困難からも後退させるわけにいかない

 次に、「特別期間」の第二の目標、反転攻勢をめざすとりくみ、とくに「赤旗」読者拡大、世代的継承を中軸とする党員拡大についてです。

 率直に言って、この活動では、まだ全党のもつ力が十分に発揮されていません。「段階論」にせず、徹底と実践を一体にすすめようという決意が、党機関や支部指導部のみなさんには広がりつつありますが、実際に支部と一緒に足を踏み出すことには苦労しているというのが現状です。

 4中総の具体化――すなわち、得票目標の決定、草の根の要求運動、参院選勝利をめざす「3本柱の活動」、中間地方選挙など、4中総決定にもとづく支部の「政策と計画」の具体化、補強をはかるのも、本格的にはこれからとなっています。得票目標・支持拡大目標の決定支部は1割です。

 全国的な12月の党勢拡大の到達点は、党員拡大は昨年12月と比べて6割、読者拡大も5割であり、このままでは10月、11月に続き、大きな後退をしかねません。

 今日、全党のみなさんに率直にお伝えしなければならないのは、このまま党勢でずるずる後退するわけにはいかない。とくに「しんぶん赤旗」読者拡大での後退を続けるわけには絶対にいかないということです。

 本日、「赤旗」党活動ページに、岩井鐵也財務・業務委員会責任者の「訴え」が掲載されました。「赤旗」読者が、総選挙後の10月、11月に大幅な後退をした結果、「赤旗」の安定的な発行を続けることが困難におちいる寸前の状況となっています。機関紙事業の後退は、中央財政と機構の維持の厳しさをさらに増すものとなっています。さらにこれは、地方党機関の財政をも厳しくし、日常の活動と体制維持の苦労のおおもととなります。

 参院選での反転攻勢の勢いをつくりだすためにも、メディアなどによる反共攻撃をはねかえすためにも、「赤旗」の前進が不可欠であることはもちろんです。同時に、「赤旗」の発行と党の財政と機構を守るためにも、この12月から、読者拡大の前進をどうしてもかちとらなければならない。このことを全党のみなさんに心から訴えます。

踏み出せば、国民のあたたかい反応が

 では、どうやって党勢拡大への立ち上がりを広げていくか。今日、私が強調したいのは、足を踏み出し、働きかけてみれば、私たちが思っている以上に、国民の反応はあたたかい、激励や期待が思わぬところから寄せられるということです。

 今日の党活動ページに、埼玉県西南地区の地区委員長であり総選挙を小選挙区候補としてたたった神田三春さんのリポートが載っています。18日、19日の土日、日刊紙9人、日曜版20人の読者を増やしているのですが、支部と一緒に訪問すると、あたたかい言葉をかけられた。悔しい結果に「眠れない」との声も出たという狭山市の柏原支部との行動では、支部員と神田さんで支持をお願いした方を訪問すると、「共闘はどうなるのですか」と尋ねられ、神田さんが、「総選挙は共闘で政権交代めざす1回目の挑戦、これからさらに共闘を発展させたい」と決意を語ると、「そりゃよかった」と跳びはねるように喜ばれた。入間市の豊岡支部との行動では、相手のほうから「共闘に頑張ったのは共産党だった。これからも応援する」「ごくろうさま。昔『赤旗』を読んでいた。また購読する」と声をかけられた。神田さんは、こう語っています。「党の周りの人はそっぽを向いているわけではありません。416万の比例票の周りには共産党にのびてほしいと思っている人たちが多数います。双方向で対話すれば支部も元気になります。議員や幹部が支部と行動することが大切です」

 京都では、4中総の討議とともに、「『入党しそうかどうか』ではなく、支部で広く結びつきを出し合う」という党員拡大の教訓をそのまま具体化し実践していますが、働きかけてみたら好反応が少なくなく、入党を決意する人も生まれています。洛南地区の西小倉支部は、「そういえば、困っている人に何かしたいと協力してくれた人がいる。あの人に声をかけてみよう」となり、入党よびかけパンフで働きかけて50代の女性の読者を党に迎えています。乙訓地区の六向支部も、「そういえば、日曜版の折り込みビラを見て宣伝に女性が参加した。あの人にいってみたら」と議論になり、パンフで働きかけると、「憲法を守りたい、共感できるし、入党します」と決意しています。

 全党のみなさん。4中総の結語では、参院選方針をやりぬく展望をどこに求めるか、討論をふまえて明らかにしました。いま、党と国民との関係に、党が前進できる新たな条件が生まれている。私たちが、共闘に真剣にとりくんできたことが、国民の中に新しい信頼、期待を広げている。気候危機打開やジェンダー平等の実現に真剣にとりくんできたことが、これまで全く党と接点のなかった新しい方々と党の出会いをつくり、支持を広げている。世代的継承の大きな可能性も、4中総で深められました。

 4中総後、わが党の臨時国会での論戦でも、国土交通省の統計データ書き換え・二重計上の問題、森友学園をめぐる公文書改ざん問題、気候変動や選択的夫婦別姓、敵基地攻撃能力、沖縄新基地建設――どの問題でも、わが党の質問は、政府の問題点を正面から突く批判と同時に、国民の立場に立った提案を行うという本来の野党の仕事を果たしたもので、党の値打ちが際立つものでした。

 こうした前進をかちとる条件と可能性をしっかりとらえ、それをくみつくす奮闘をしようではありませんか。

疑問が出たら、4中総と綱領を語るチャンス

 支部のみなさんには、4中総を頭では理解しても、総選挙が残念な結果だっただけに、「支持者に申し訳ない」「なんと語っていいのか」という逡巡(しゅんじゅん)もあるかもしれません。だからこそ、党機関や地方議員、支部指導部のみなさんが声をかけ、一緒に足を踏み出し、一緒に国民の反応をつかんで、支部にかえしていくことが大変重要になっています。

 もちろん、選挙後も攻撃が行われていますから、なかには疑問やご意見が出ることはあるでしょう。しかしそれは、4中総を語り、党を語るチャンスでもあります。その場で答えられなくても、「こんど『集い』にお誘いします」「そこでぜひ話しましょう」と伝え、次の活動につなぐことができれば、それは積極的支持者を増やし、党の自力を強く大きくしていくチャンスになります。

 いま踏み出せばあたたかい反応がある。もし疑問が出されても、それは4中総や綱領を国民に伝えていくチャンスだ――こういう気持ちで、逡巡せず、足を踏み出してみようではありませんか。

 主体的な条件を見ても、11月とは違い、12月は4中総決定という最高の政治的推進力を私たちは手にしています。この討議・徹底で生まれつつある全党のエネルギーが発揮され、党勢拡大の独自の手だてがとられれば、飛躍を起こすことは必ずできます。

 全国の同志のみなさん。総選挙での悔しい後退をバネに、参議院選挙での勝利・躍進へと、日本共産党の反転攻勢を実現するためには、党勢拡大で前進することがどうしても必要です。この12月、力をあわせて、なんとしても読者拡大の前進と世代的継承を中軸とする党員拡大の前進をかちとろうではありませんか。そして、参議院選挙と党創立100周年の新しい年を迎えようではありませんか。

 私も全力で頑張ります。


pageup