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2021年12月18日(土)

きょうの潮流

 気候変動の影響で、2050年までにアフリカなど世界各地で、最大2億1600万人が国内移住を余儀なくされる心配がある―。世界銀行が今年、そんな報告書を出しています▼報告書は、水不足の深刻化、農作物の生産性低下、海面上昇など、気候変動がますます国内移住の強力な原因になっていると指摘します。しかも移住の規模は、貧しく気候変動に脆弱(ぜいじゃく)な地域で最も大きくなると▼一方、温室効果ガスの排出量を抑えるなどの対策をただちに講じれば、国内移住を最大で8割減らす可能性があるとも。だから対策は緊急だと。国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の合意文書でも次の項目があります▼人類の活動が現在までに(産業革命前より)1・1度の気温上昇をもたらし、パリ協定の温度目標に抑えるために残された総排出量は急速に枯渇している。そして「この10年が決定的」としています▼COP26の合意文書が「国内政策と整合的」と宣伝しているのが岸田政権です。首をかしげてしまいます。石炭にアンモニアを混ぜて燃やすなどして脱炭素型の火力への置き換えを推進するとしています。しかし、混焼しても二酸化炭素の削減効果は極めて小さく、結局、石炭火力を将来も使い続けることにしかなりません▼COP26では、議長が「石炭の時代は終わりつつあると信じている」と強調し、アジアの国も含めて脱石炭の大きな流れが鮮明になりました。気候危機打開のため急がれるのは、日本の政策を見直すことです。


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