しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年11月23日(火)

きょうの潮流

 仕事をするうえで、大切だと思うものを三つあげて―。そう問われたら、あなたはなんと答えますか。雇用の条件や仕事の内容、それとも職場の環境でしょうか▼民間の研究機関が、アジア諸国に米国を加えた9カ国の都市圏で働く若い男女を対象に調べました。すると、日本で1位になったのが「良好な職場の人間関係」。他の国はすべて「高い賃金・充実した福利厚生」が最多でした▼仕事からの実質的な見返りを重視する他国に比べ、日本では職場に溶け込んで仕事をすることが「ふつう」である。社会学が専門の本田由紀・東大教授の『「日本」ってどんな国?』に紹介されています▼そこでは、仕事や会社への満足度がとても低く、その裏返しとして仕事で感じるストレスの度合いが高いことも。産業の構成が大きく変化するなかで、非正規雇用が増加。働く人の格差が大きいのも日本の特徴だといいます▼低い賃金で労働者を使い捨てにした結果、日本企業は活力を失い、世界から後れをとっています。岸田政権の「新しい資本主義」は目先を変えただけの大企業優遇。経済対策も現場の要求とかけ離れています。改善どころか、コロナ禍で労働環境は悪くなるばかりです▼きょうは勤労感謝の日。働くことを尊び、仕事の成果を祝い、互いに感謝する。そんな趣旨からほど遠いこの国の現実を直視するとともに、意を新たに。人間らしく働き、生きていける社会をあきらめない。


pageup