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2021年11月23日(火)

オスプレイ那覇軍港飛来

米「今後も可能性」

常態化の危険 合意逸脱の横暴

 沖縄県の玄関口・那覇空港に隣接する米軍那覇軍港への米海兵隊MV22オスプレイの突然の飛来(19日)をめぐり、米側は「通常の運用であり、今後も使用する可能性がある」との見解を伝えていたことが分かりました。オスプレイなど米軍機の飛来が常態化する危険があり、県は警戒を強めています。


地図

 沖縄県へのオスプレイ配備(12年)にあたり、米側は当初、那覇軍港へ陸揚げし、組み立て・試験飛行を行って普天間基地(同県宜野湾市)に移動する計画でした。しかし、翁長雄志・那覇市長(当時)が「狂気のさただ」と批判。オスプレイ配備に係る「環境レビュー」では、使用が想定される69カ所の着陸帯に那覇軍港は含まれませんでした。

 ところが19日、県などへの事前通告もなくオスプレイ3機が普天間基地から那覇軍港に飛来。20日にはCH53E大型輸送ヘリが飛来しました。玉城デニー知事、城間幹子・那覇市長はいずれも抗議のコメントを出しました。

 米海兵隊第1航空団司令部は本紙の取材に対して、「普天間基地のMV22は那覇軍港に以前から計画されていた駐機を行った。MV22はメンテナンス(整備)のため、船で米本国に運ばれる。これはMV22や第1航空団の他の回転翼機にとって標準的な手順である」と説明。ただ、「頻繁には行われない」とも述べました。

 ところが、防衛局から県への20日付情報提供によれば、海兵隊は「那覇軍港では通常の運用を行っている」としており、「こうした使用は今後も行われる可能性がある」との見解を伝えていたことが分かりました。

 「通常の運用」とは、事前通告もなく自由勝手な使用を意味します。しかし、沖縄の施政権返還にあたり基地の使用条件を定めた1972年の「5・15メモ」で那覇軍港の使用条件は「港湾施設および貯油所」としており、この合意さえ逸脱した横暴です。

 MV22の整備をめぐっては、防衛省は木更津駐屯地(千葉県木更津市)に日米共通の整備基盤を設置。17年2月から定期整備を開始しました。しかし、当初想定の「年5~10機、1機あたり3~4カ月」から工程が大幅に遅れ、1機あたり最大2年かかり、整備完了は今年7月時点で4機です。このため、米側は当面、那覇軍港から本国へ送って整備を行う可能性もあります。


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