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2021年10月19日(火)

2021総選挙

岸田首相地元の広島苦境

困窮者に冷たい自民

「ふりかけだけの日も」「協力金支給されない」

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、貧困の拡大や中小業者の苦境が深刻になっています。岸田文雄首相の選挙区、衆院広島1区(広島市中区、南区、東区)で市民に現状を聞くと―。(丹田智之)


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(写真)岸田文雄氏の首相就任を祝う横断幕が掲揚されたアーケード街=広島市中区

 「生活を維持するために食費を削り、ご飯とふりかけだけの日もあります。貯金などできません。岸田首相には『月9万円で生活してみろ』と言いたい」

 東区のアパートに住む女性(62)は、自民党政治が生活困窮者に冷たいと怒ります。自身も夫も精神疾患のため、フルタイムでの就労は困難。毎月の世帯収入は、生活保護費9万円と作業所の工賃を足しても10万円ほどにしかなりません。

 「自民党政権で生活保護費が削減され、家計は厳しくなるばかりです。野菜などの物価が上がり、消費税の負担も重い」と窮状を訴えます。

助けを求めて

 NPO法人「反貧困ネットワーク広島」でシェルター(一時的な住まい)の管理に携わる日下(くさか)健二さん(72)によると、失業や借金で家賃が払えなくなり、助けを求めて事務所に来る人が多いといいます。

 日下さんは「コロナ禍の1年半は、30代や40代で生活が困難になった人の相談も受けてきました。月末になると『食べるものがない』と事務所に駆け込んでくる市民に、お米やインスタントラーメンを渡します。こうした状態を放置してきたのが今の自民党政権だ」と指摘します。

 広島県では緊急事態宣言の解除後も、飲食店に対する県独自の集中対策が14日まで続きました。休業や時短営業の要請に応じた飲食店への協力金は、支給が遅れています。

 中華料理店を営む男性(51)=南区=は、5月末まで出前とテークアウトのみで営業し、その後は席数を半分にして時短営業をしています。

家賃払えない

 「売り上げは平常時の3~4割です。16万円の家賃が払えない月もありました。6月21日から7月11日までの分の協力金が、10月になっても支給されません。政治と行政にスピード感がない」と憤ります。

 男性は、中小業者の苦境に寄り添う政治を実現するためにも「自民党に対抗する勢力が増えてほしい」と総選挙での野党の躍進に期待を込めています。

 中区にある中国地方最大の繁華街・流川(ながれかわ)でスナックを営む女性(55)は、14日まで休業しました。「休業中は毎月、家賃10万円とカラオケ機のリース料(3万~4万円)が出ていくばかりでした。常連客も離れてしまった」と話します。

 広島民主商工会の事務所には、毎日30人ほどの会員が協力金申請などの相談に訪れます。石立大助事務局長は「このままでは廃業せざるを得ないという深刻な声もあります。国や行政による実効性のある支援が求められる」と強調します。

 苦境が続く映画関連会社を営む女性(68)=南区=は「税金を国民のために使うことは当たり前です。政治を変えようと野党が連携していることに希望を感じます。総選挙で岸田政権に審判を下す必要がある」と力を込めます。


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