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2021年10月9日(土)

『週刊金曜日』 小池書記局長と中島岳志氏対談

保守から共産党まで一つの軸に 中島氏

共通政策「安倍・菅政治」チェンジの要 小池氏

 8日発売の『週刊金曜日』が日本共産党の小池晃書記局長と同誌編集委員の中島岳志氏(東京工業大学教授)の対談を6ページにわたって掲載しています。冒頭部分で「共産党との協力関係はほかの野党勢力にとって『障害』ではない、むしろメリットがある」と切り出し、小池氏に「野党による連合政権」について聞く構成です。


 岸田文雄総裁以下、安倍・菅政権直系の布陣となった自民党役員体制をどうみるか。小池氏は、同党が「『変われない政党』であることがはっきりした」ときっぱり。中島氏も「党役員・内閣人事も、安倍・麻生が握っているのが露骨に見えました」と述べ、「安倍・麻生によるマウンティング人事だ」と指摘しました。その上で中島氏は、こうした自民党の構成に対し、「ゆるやかなリベラル保守から共産党まで、ひとつの軸となることが、野党共闘だと思う」と強調しています。

自民がまともな保守でなくなる

 小池氏は「自民党がまともな保守政党でなくなったことが根本にあるので、いまの野党共闘は、保守の人も含めた幅広い共闘関係に発展している。そこがいままでにない強みだ」と述べ、安保法制強行を契機とした野党共闘の発展を紹介。さらに、従来の労働組合のナショナルセンターの違いを超えて一致する課題で共闘を展開する市民運動の様子にふれ、「こうした中で、幅広い政党・政治勢力が結集できる状況が形づくられていきました」と語っています。

 中島氏は「自民党が保守でなくなったというのはまさに同じ考えだ」と共感。野党共闘成立の背景に、「自民党が以前にも増して『自助』を強調するようになっていることがある」と指摘しました。

 小池氏は「医療・介護、社会保障制度が貧しいものにされ、ケア労働者の賃金が低くおさえられてきたことの矛盾が、コロナ禍で一気に噴き出した」と強調し、こうした結果、「野党共闘の政策的な一致の幅が、新自由主義的な経済政策への対抗にまで広がった」と指摘。「市民連合と合意した共通政策には『医療費削減政策を転換する』という文言が入った。私はこの一文を感慨深く受け止めています」と応じています。

 対談のテーマは、野党の政権協力に。中島氏は「野党の政権交代には、連立が必須だと思う」と切り出しました。

『多様性の中の統一』が力発揮

 小池氏は、日本共産党と立憲民主党の政権協力合意が「日本共産党は、合意した政策を実現する範囲での限定的な閣外からの協力とする」と明記していることを紹介。「市民連合との共通政策は、決して部分的なものではなく、9年間の『安倍・菅政治』をチェンジする要となる政策がしっかりと盛り込まれており、これが実現すれば、いままでとはまったく違う政治状況が生まれる」と強調しました。

 「違いがあってもお互いにリスペクトして、一致点で協力する『多様性の中の統一』こそが、一番強い力を発揮します」と語った小池氏。中島氏は、絶対平和という大きなスローガン(統整的理念)のもとで、核兵器を何%縮小するか(構成的理念)という考えを例に、「構成的理念が成立するためには、統整的理念が成立していないといけない。共産党のスタンスはこれであり、立憲民主党やほかの野党とも構成的理念で合意し、十分一緒に歩んでいける」と答えました。

 対談の最後に小池氏は、総選挙では経済政策、安保政策等に加えて気候危機の打開策、ジェンダー平等政策も訴えると強調し、「こうした政策アプローチも強めて、躍進を勝ち取りたい」と決意を語っています。

「暴力革命」デマ反論コーナーも

 対談本編の別枠として、テレビのコメンテーターによる日本共産党に対する「暴力革命」デマ(9月10日)について小池氏が詳細に反論するコーナーも設けられています。

 この中で小池氏は「そもそも共産党は『暴力革命』という方針を党の正式な方針としたことはただの一度もありません」と語りこのデマは「野党共闘、に参加しているすべての政党、市民に対するデマだった」と指摘。ネット上での多数の「許せない」という発言や立憲民主党の枝野幸男代表のコメントにふれ、「幅広い人が声を上げてくれたのは、共産党に対する日本社会の変化。共産党に対する市民の見方が変わってきている」と述べています。


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