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2021年9月3日(金)

気象災害 50年で5倍に

「気候変動でさらに深刻化」

世界気象機関報告

 世界気象機関(WMO)は8月31日、過去50年間の台風、水害、干ばつなどの気象災害についての包括的な報告書を発表し、50年間で災害件数は5倍に増加したことが明らかになりました。1970~2019年に災害が1万1000件発生し、死者は200万人強、経済的損害は3兆6400億ドル(400兆5千億円)に上りました。これは毎日115人の死者、2億200万ドル(222億円)の損失が出たことになります。

 死者の91%が途上国で発生し、その内訳は、干ばつ65万人、台風やサイクロン、ハリケーンなどの暴風が57万7000人、洪水が5万8700人などでした。

 WMOのターラス事務局長は、「気候変動の結果、極端な気象・気候、水害が増大している。今後さらに頻繁になり、深刻化する」と警告しました。早期警戒システムの整備などで死者数は約3分の1に減少しました。

 アジアでは、3454件の災害が起き、世界の47%に当たる97万5600人が死亡。死者の7割以上が台風やサイクロンなどによるものでした。アフリカでは、73万人以上が死亡し、最大の死者は干ばつによるものでした。欧州では、16万人の死者のうち8割が2003年と10年の熱波によるものでした。

 報告書は、教訓として、減災や災害リスク管理、早期警戒システムなどへの投資を進めることなどを提案しています。WMOは、気象、気候、水に関する科学情報を提供する国連の専門機関です。


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