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2021年9月3日(金)

きょうの潮流

 多数決で忘れてはいけないことがある。反対の少数の意見があること。そして、その少数意見の方があるいは正しいかもしれないということだ―▼日本国憲法の制定にかかわった法学者の佐藤功さんが復刻された『憲法と君たち』で語りかけています。決をとる前に両方の意見を十分にたたかわせ、少数の意見を尊重し、正しいと思う点があれば取り入れる。そういう努力を怠れば専制政治と同じになってしまうと▼コロナ危機にもかかわらず、いま国の政治を決める国会は2カ月半にわたって閉じられています。野党が求める臨時国会の召集を菅政権は拒否。「コロナ対策最優先」は口先だけで、そのための意見に傾ける耳さえもたない菅首相のごう慢な態度です▼「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば」という憲法53条の規定は、少数派の意見を国会に反映させる趣旨に基づいたもの。ところが議論を交わす場を奪い、国民を置き去りにしてまで躍起になっているのはみずからの延命です▼総裁選や党役員人事、解散をめぐるドタバタぶりは、みにくい最後のあがきか。野党を代表して立憲民主党の安住淳国対委員長がこう批判しました。「大変な状態の国民に背を向け、内輪のことを必死でやっている。浅ましい」▼自民党内では“菅おろし”の動きが活発に。しかし顔はかわっても、権力や多数の上におごってきた人たちばかり。憲法を守り、国民の命を守るためにも野党が本気で結束して政権交代の旗を掲げるときです。


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