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2021年8月31日(火)

きょうの潮流

 朝起きるとまず「きょう一日、不用意な言葉で誰も傷つけたくない」と思います。いっそ何もしゃべりたくないくらいですが、そうもいきません▼いま話題のベストセラー『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)を読んでみました。著者は産業カウンセラーの大野萌子さん。書かれていたのは、「好かれる」ための小手先のテクニックではなく、言葉遣いには他者を尊重して生きているかどうかが如実に表れるという真理でした▼「こうするべきだよね」を「こうしてください」に言いかえを勧めるのは、自分の主観を押し付けて相手を責めないため。「べき論」は言った本人も追い詰めると警告します。「それは違うでしょう」→「そうしたのはどういう思いから?」は、上から一方的に他者を評価する態度から、対等な立場で相手の意図を聴く姿勢へ▼言葉のハラスメントを行いがちな人の特徴として、「良いか悪いか」「勝ちか負けか」などの二元論的思考に捉われ、「あなたは間違っている、私が正しい」と相手を否定することで自分を優位に立たせようとし、そんな自分を客観視できないといった傾向を挙げます▼相手を尊重しながら自分の意見を伝えるコミュニケーションの基本は、「あなたと私は違う人間だから、意見が違って当然」という前提に立ち、「私もOK、あなたもOK」と自他を肯定すること、と大野さん▼家庭で地域で職場で学園で、他者に投げかける言葉に自覚的になってみませんか。


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