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2021年8月27日(金)

コロナ危機 直ちに臨時国会を召集し、打開策の議論を

危機感も反省もない首相発言を批判

志位委員長が記者会見

 日本共産党の志位和夫委員長は26日、国会内で記者会見し、新型コロナウイルス感染症の拡大により、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の対象地域が計33都道府県に拡大された事態について、「明らかに菅政権によるコロナ対応が失敗したこと、重大な失政が起きていることを示している」と指摘しました。その上で、菅義偉首相の記者会見(25日)には現状に対する危機感も責任感も反省もみられず「驚いた」として、直ちに臨時国会を開き事態打開について議論すべきだと主張しました。


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(写真)記者会見する志位和夫委員長=26日、国会内

 志位氏は菅首相の発言について三つの問題点を示しました。

 第1の問題点は、「明かりははっきりと見え始めている」という楽観論を流していることです。

 志位氏は、同日の衆院厚生労働委員会で政府対策分科会の尾身茂会長が「感染拡大のスピードは鈍化しているが、下がる傾向は全く見えておらず、いつピークアウトするか判断するのはまだ時期尚早だ」と強調し、政府の楽観的分析に厳しい苦言を呈したとして、「『明かり』どころか、全国いたるところに赤信号が点灯しているのが現状だ。首相が楽観論を繰り返し流してきたことが、現在の感染爆発につながっている」として、「許しがたい姿勢だ」と批判しました。

 第2は、記者団から33都道府県に宣言などを拡大した「政治責任」を問われた首相が「この危機を乗り越えていくのは自分の責任だ」などとすり替えたことです。志位氏は「ここまで事態を悪化させた政治責任を問われたのに、政治責任を認めようとしない。反省がまったくない」と強く批判しました。

 第3は、「首相のコロナ対応はうまくいっているのか」との質問に対し、菅首相がさまざまな言い訳をしながら、「死者の数とか他の国と比べてみると(少ないのは)明らかではないか」などと述べたことです。

 志位氏は「鉄面皮の発言だ」「医療が崩壊し、救えるはずの命が救えず、毎日のように自宅で医療が受けられず苦しみのなかで亡くなる方が続いているときに、“死者の数が少ない”などとよくぬけぬけと言えたものだ」と批判しました。

 その上で、「どれをとっても、現状に対する危機感も、責任感も、反省もない。こういう認識でいる以上、それをただせるのは国会しかない」と強調。尾身会長も国会での議論を求めたとして、「直ちに国会を召集し、国会での議論によって打開の方途を明らかにしていくことが文字通り急務だ」と主張しました。

 菅首相のコロナ対応について問われた志位氏は、尾身氏が政府の対応について、国民に自粛を求めながら五輪・パラリンピックを開催するなど「矛盾したメッセージ」を出すとともに「楽観的な状況分析」をしていると述べたとして、「この二つが今の事態をつくっている」と強調しました。

 志位氏は「菅首相は“国民の4割超が1回目のワクチンを打てば感染拡大はおさまる”と繰り返してきたが、事実ではなかった。すでに5割超が1回目のワクチンを打っているが、感染拡大が続いている。根拠のない楽観論や自分の希望的観測をあたかも事実かのように流す。これが国民が緊張感を共有するうえで大きな障害になっている」と述べました。

 また、パラリンピック開催と学校連携観戦の実施も「矛盾したメッセージ」の最たるものだとして、「この責任は非常に重い」と批判し、その中止を強く求めました。


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