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2021年7月8日(木)

きょうの潮流

 なるほど、これを隠したかったのか。開示された「赤木ファイル」を読み返してうなずきました。隠すほどに事件の本質が見えてくるものです▼国有地を8億円も値引きして森友学園(大阪市)に売却。その疑惑をめぐり、公文書の改ざんを強要され自ら命を絶った財務省近畿財務局職員の赤木俊夫さんが残したのが「赤木ファイル」でした▼財務省理財局から真っ先に削除を求められたのが「これまでの経緯」に記載されていた当時の安倍晋三首相の妻、昭恵氏と政治家が関与した記述。もうひとつは大阪の維新府政が森友学園の小学校設置を「認可適当」とするに至る経過です▼「いい土地ですから、前に進めてください」。小学校の名誉校長だった昭恵氏を現地に案内した時の言葉とされ、当時の籠池泰典理事長と並んだ写真が近畿財務局に提示されたくだりは消されました▼近畿財務局から大阪府私学・大学課に対して審査基準(総負債比率制限)について照会し、現状の収支計画では審査基準に抵触し本地を即購入することはできないことを確認したことなどの記述も消されました。大阪府の設置認可基準では校地は「自己所有」が原則。借地の上に校舎を建てることはできません▼籠池氏は国会の証人喚問で「神風が吹いた」といい府私学審議会の梶田叡一会長(当時)はNHK番組で「大きな力がどこかから働いて」と語りました。「大きな力」とは何か。悲惨な犠牲を強いながら疑惑は晴れず、政治家はだれも責任を取っていません。


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