しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年6月24日(木)

都議選必勝、全都・全国決起集会

志位委員長の報告

 23日に行われた「都議選必勝、全都・全国決起集会」での志位和夫委員長の報告は次の通りです。


現瞬間での情勢判断――勝敗は文字通り一日一日の奮闘にかかっている

写真

(写真)都議選必勝全都・全国決起集会で報告する志位和夫委員長=23日、党本部

 親愛な東京と全国の同志のみなさん。後援会員、サポーターのみなさん。

 東京都議会議員選挙必勝をめざしての日夜をわかたぬ奮闘に、心からの敬意と熱い連帯のあいさつを送ります。

 都議選の投票日まであと10日に迫りました。

 報告の冒頭に、現瞬間での情勢判断を報告したいと思います。

 各党が総力をあげ、しのぎを削る大激戦のなかで、東京の同志をはじめ全国の同志の大奮闘が展開されていますが、わが党の到達点は、宣伝・組織活動の到達点、「日本共産党落とし」の反共シフトの厳しさなどからみて、なお、現有議席確保にはかなりの距離があることを、率直にお伝えしなければなりません。

 同時に、政治論戦では、コロナ対策、五輪問題、東京都政の「四つのチェンジ」、共産党都議団の値打ちなど、わが党の論戦は、あらゆる面で他を圧倒しており、訴えが届いたところでは有権者から熱い反応が寄せられ、支持がどんどん広がる状況があります。残る10日間、この訴えを全有権者規模で浸透させることができれば、現有議席を確保し、前進・躍進をかちとることは十分に可能であります。

 勝敗は、文字通り、残る10日間の一日一日の奮闘にかかっています。

 東京と全国の同志のみなさん。残る期間、心一つに、底力を出し切り、悔いなくがんばりぬいて、必ず勝利をつかみとろうではありませんか。

政治論戦での圧倒的リードを深い確信にして、全都民に広げぬこう

 どうやって躍進への道をこじあけるか。

 まず、政治論戦での圧倒的なリードを、次の四つの点でみんなの深い確信にして、全都民に広げぬくことを訴えたいと思います。

わが党が都議選で訴えてきた争点が、そのまま都議選の客観的な争点になっている

 第一は、日本共産党が提起してきた都議選の争点が、どれも都議選の客観的な争点になっているということであります。

NHKの都議選候補者に対するアンケート

 NHKが、今日、23日を提出期限にして、都議選候補者に対してアンケートを行っています。注目すべきはその質問項目であります。

 冒頭は、「都と政府の新型コロナウイルス対応をどう評価しますか」。これは当然だと思いますが、次に来るのが「東京オリンピック・パラリンピックをどうすべきだと思いますか」――五輪問題が第二の争点に据えられています。わが党は、1月以来、今夏の五輪を中止し、コロナ収束に全力をと訴え続けてきましたが、これが国民世論の多数の流れとなり、都議選の大争点へと押し上げられてきているのであります。

 また、「カジノを含むIRの都内への誘致について、どう考えますか」、「都立病院や公社病院を独立行政法人化する都の方針について、どう考えますか」、「羽田空港を発着する旅客機が都心上空を通る新しい飛行ルートについて、どう考えますか」――こういう設問がならんでいます。わが党が小池都政のもとで進められている「稼ぐ東京」=大企業のもうけを応援する都政でいいのかと問題にしてきた中心点が争点に据えられています。

 さらに、「同性パートナーシップ制度」「選択的夫婦別姓」についてどう考えますか――ジェンダー平等への基本姿勢が問われています。そのほとんどが女性差別にしがみつく「日本会議」の地方議員団体のメンバーである自民党には答えづらい設問でしょう。

 そして、「いわゆる『多摩格差』について、小池都政のもとでどうなったと考えますか」――自公都政による保健所つぶしなど、コロナでいちだんと深刻な矛盾が噴き出した多摩格差の問題も問われています。

わが党がつくりだした土俵のうえでの攻勢的なたたかい

 このように、わが党がこの都議選で訴えてきた争点が、NHKというメディアから見ても、そっくり、そのまま都議選の争点になっています。都議選における政治論戦の全体が、わが党がつくりだした土俵のうえでの論戦となってきているのであります。

 わが党は、これらのすべてについて、都民の利益にかなう確かな立場を示しています。反対に、自民、公明、都民ファーストは、これらのすべてについて、都民に語るべき内容をもっていません。五輪問題についても、これを推進しながら、都民の批判と怒りを前にして、選挙戦のなかでまともに語ることができず、逃げ回るだけです。これらの諸党が、このアンケートにどう答えるか、たいへん苦労することでしょう。

 多くの同志が、「今回の都議選はたたかいやすい」、「訴えやすい」と感じておられると思いますが、それはわが党がつくりだした土俵のうえでの攻勢的なたたかいになっているからにほかなりません。私自身、党指導部の一員として都議選をともにたたかうのは、今回で8回目になりますが、ここまで「自分の土俵」でたたかえる都議選は、今回が初めてだというのが強い実感であります。みなさん、まず、この点を深い確信にして、攻めに攻め、日本共産党への支持を広げに広げぬこうではありませんか。

 政治論戦の基調は、すでに4月21日の東京オンライン演説会、5月13日に都委員会が発表した「2021都議選 訴えと重点公約」で明らかにされています。この基本を握り、都民の関心にそくして、縦横に語りぬこうではありませんか。

「コロナ封じ込め」を戦略目標にすえ、三つの点で政府と都は責任を果たせ

 第二は、新型コロナをどうやって封じ込めるかという問題です。この問題でも、わが党が節々で提起してきた方向でこそ、コロナから命と暮らしを守ることができることが、いよいよ鮮明になっています。

 東京で、今年に入って今日まで緊急事態宣言は130日間、まん延防止等重点措置を入れると146日間、実に84%の日々で、都民に苦しい自粛を求め続けています。これは、やるべきことを怠ってきた政治の責任であり、菅政権と小池都政による人災といわなければなりません。

 わが党は、政府と都に対して、「コロナ封じ込め」を戦略目標にすえ、次の三つの点で、政治の責任を果たすことを強く求めてたたかいます。

ワクチンの迅速な接種と、大規模な検査をセットで

 一つは、ワクチンの迅速な接種と、大規模な検査をセットで行うことです。ワクチン接種がようやく開始されましたが、2回の接種が終わったのは全人口の7・7%、日本のワクチン接種数は世界107位です。人口比のPCR検査数は世界141位です。ワクチンと検査という「封じ込め」の科学的基本がどちらもきわめて遅れているのであります。

 ここで強調したいのは、ワクチンの迅速な接種のためにあらゆる手だてをとることは当然ですが、ワクチンによる集団免疫が得られるのは秋から冬にかけてとなり、どうしても一定の時間がかかるということです。また、ワクチン接種が進んでいるイギリスでも感染力の強いデルタ株の広がりで新規感染者が1日1万人を超える事態になっているなど、ワクチンは万能ではないということです。

 ワクチンの迅速な接種と、基本的感染対策――とくに大規模検査をセットで行ってこそ、封じ込めに道を開くことができます。みなさん。「いつでも、だれでも、何度でも、無料で」PCR検査が受けられる体制をつくることを強く求めていこうではありませんか。

十分な補償と生活支援――感染抑止のうえでも必要不可欠

 二つは、十分な補償と生活支援を行うことが、営業と暮らしを守るためにも、感染拡大の新たな波を抑えるうえでも、いよいよ必要不可欠になっているということです。

 菅政権は、緊急事態宣言を3回出しながら、中小業者の「命綱」だった持続化給付金、家賃支援給付金をたった1回で打ち切りました。長期にわたる自粛要請によって営業が疲弊し、店を閉めるか、自粛をやめるかのギリギリの選択に追い込まれている現状を放置したままでは、感染抑止への十分な協力を得ることはできません。

 みなさん。持続化給付金の第2弾の支給を強く求めていこうではありませんか。生活に困窮している方々への10万円の給付金も急務であります。コロナのもと巨額のもうけをあげている富裕層や大企業に応分の負担を求め、消費税を5%に減税することを強く求めてたたかおうではありませんか。

 東京都で、決まった協力金の支給が遅れに遅れているのは大問題であります。協力金を迅速に支給するとともに、都独自の支援の拡充を強く求めてたたかおうではありませんか。

医療を削る政治をあらためる

 三つは、医療を削る政治をあらためることです。コロナ危機は、高度な水準を達成していると言われてきた日本の医療体制が、長年の医療費削減政策によって、危機にさいしてもろく弱いものになってしまっていることを明るみに出しました。

 ところが菅政権は、医療界からの党派を超えた強い要望である減収補填(ほてん)をいまだに拒否し続けています。さらに、コロナ危機のさなかに、消費税を財源にして病院のベッドを削減する病床削減推進法を強行し、高齢者医療費2倍化法を強行したことは、断じて許すわけにいきません。小池都政が、都立病院・公社病院の独立行政法人化を進めていることも、コロナ危機の教訓にまったく逆行するものであります。

 みなさん。都議選で、血も涙もない医療切り捨て政治を推進する勢力に厳しい審判を下し、医療に手厚い政治への切り替えを求めていこうではありませんか。

「五輪より命を」「都議選での審判で止められる」――堂々と訴えぬこう

 第三は、オリンピック・パラリンピック問題をどう訴えていくかという問題です。

国民の感情・批判を踏まえ、“二枚腰”の論戦を貫く

 国民の圧倒的多数の声を無視して、菅政権と小池都政は、あくまでも五輪開催への道を暴走し続けています。こうしたなか、不安や批判をもちつつも、「中止は難しいのでは」という声も起こっています。同時に、どの世論調査でも、「五輪開催によって感染が拡大するのではないか」との不安をもつ国民は8割以上と、絶対多数を占めています。

 こうした状況を踏まえて、「五輪より命を優先する政治を」という訴えを広く行うことが大切であります。同時に、「政治が決断すれば五輪は中止できる。都議選での日本共産党の躍進で止めよう」という正面からの訴えを断固として貫くことも大切であります。「五輪より命を」で広く都民的団結をつくりながら、「五輪は中止できる」ことを訴えぬき、都民を激励していく、そういう“二枚腰”の論戦を貫きたいと思います。

「五輪より命を」――この願いをこぞって日本共産党へ

 まず、「五輪より命を優先する政治を」という訴えについてですが、いま問われていることはたいへんにシンプルであります。すなわち、「五輪を優先するのか、国民の命を優先するのか」であります。こうした問いかけをすれば、圧倒的多数の都民は「国民の命」と答えることは疑いありません。

 ところが、菅政権と小池都政がやっていることは、「命より五輪」――五輪を最優先させ、国民の命は二の次にするというものです。こうして、きわめて深刻な矛盾が、日に日に広がる状況が生まれています。

 菅政権と小池都政は、何が何でも五輪開催へと暴走しているだけではありません。「無観客が望ましい」との専門家有志の「提言」をも無視して、1会場「上限1万」、1日最大20万人にもなる有観客の方針を決定しました。そこまでして五輪に観客を集めなければならない理由は何か。何の説明もありません。「観客を入れた五輪などとんでもない」との強い批判の声が沸き起こっているのは当然ではありませんか。

 菅政権と小池都政が、子どもたちを五輪観戦に動員する方針にしがみついており、「1万人」とは「別扱い」として、子どもたちの観戦を位置づけたことも重大であります。子どもが感染する不安、健康を損なう不安が広がり、「子どもたちを五輪に動員するな」の声が、大きく広がっています。

 国民にさらなる自粛と我慢を強いながら、感染リスクが格段に高い五輪だけは強行する姿勢も、深刻な矛盾を広げています。政府が「オリパラ期間中はテレワーク実施を」などの方針を出したことが、国民の怒りの火に油を注いでいます。これはオリンピックのために「自宅にいろ」「外出を控えろ」というものであり、かつての「欲しがりません、勝つまでは」を彷彿(ほうふつ)とさせるではありませんか。こんな支離滅裂な政治が許されていい道理はないではありませんか。

 「五輪開催はやむを得ない」と考えている人も含めて、「観客を入れた五輪などとんでもない」、「子どもたちを五輪に動員するな」、「国民に我慢を強いながらの五輪開催は納得がいかない」などでは、圧倒的多数の人々が一致するのではないでしょうか。

 みなさん。そうした声を一つに集めて、「五輪より命を大切にする政治を――この願いをこぞって日本共産党へ」と訴えぬこうではありませんか。

五輪は自然災害ではない、政治の決断でいつであれ中止できる

 同時に、「政治が決断すれば五輪は中止できる。都議選での日本共産党の躍進で止めよう」という訴えを最後まで断固として貫きます。

 この問題で重要なのは、五輪開催によって感染リスクが拡大すること、どんなに対策をやったとしても追加の感染リスクをゼロにはできないという事実であります。そのことは政府分科会の尾身会長も、「オリンピックを開催すれば、今より感染リスクが高くなるのはどう考えても普通だ。開催するならリスクを最小限にすることが必要だが、ゼロにはできない」と国会で明確に答弁したことです。

 リスクをゼロにはできないということは、五輪開催で、新たな感染拡大の波が起こる危険があるということであります。

 現に、専門家有志が発表した「提言」に添付された資料では、緊急事態宣言の解除と、五輪開催による人流の増加、デルタ株の影響を考慮すると、最悪の場合、7月末には、東京の新規感染者が2000人を超えるという試算も明らかにされています。新たな感染拡大の波が起これば、重症者も増え、亡くなる方も増えることになります。

 私は、政治の根本姿勢として、「五輪開催によって新たに亡くなる方が増えても仕方がない」という立場には決して立つべきではないと考えます。そういう五輪ならば開催する意義はない、ときっぱりと言い切ることこそ必要ではないでしょうか。そして、新たに亡くなる方を増やさないためには、五輪を中止する以外に方法はないのであります。

 私は、6月9日に行われた党首討論で、「国民の命を危険にさらしてまで、オリンピックを開催する理由は一体何なのか」とただしましたが、菅首相は一切、答弁ができませんでした。開催の理由も説明できないまま、巨大リスクを抱える五輪を強行する――こんな無責任な政治はないではありませんか。

 五輪は自然災害ではありません。人間が行うイベントです。政治が決断すれば、いつであれ中止できます。命と健康が守れないならば、いつであれ――直前であっても、場合によっては開催中でも中止しなければならないのであります。

 みなさん。菅首相と小池知事が開催に固執するならば、都民の意思を示そうではありませんか。7月4日に都議選という審判の機会があるではありませんか。7月4日から五輪開会予定日まで20日近くあります。中止を決めるのに十分な期間です。

 みなさん。都議選で、五輪開催に固執する自民、公明、都民ファーストに厳しい審判を下し、「五輪を中止し、コロナ収束にあらゆる力の集中を」と訴えている日本共産党を躍進させれば、五輪は止められる――このことを堂々と訴えぬこうではありませんか。

議員団としての実績・値打ちとともに、個々の候補者の魅力を大いに語ろう

 第四に、訴えたいのは、躍進した党都議団の実績と値打ちを大いに語るとともに、個々の候補者の実績と魅力を大いに語ろうということです。

 2013年、17年の都議選で、2回連続躍進し、都議会野党第1党の地位を占める日本共産党都議団が、素晴らしい実績と値打ちを発揮していることは、認可保育所を1・7倍にしたことや、ジェンダー平等の東京をめざす新たなとりくみなど、すでにさまざまな角度から明らかにしてきました。その抜群の働きを深い確信にして、広く語っていくようにしたいと思います。

 同時に、都内各地で候補者のみなさんと一緒に訴えてあらためて強く実感するのは、わが党の候補者の一人ひとりが、政治家としての人格・識見でも、都民の苦難に寄り添う政治姿勢でも、論戦力や政策能力でも、他党に働きかけて都議会を実際に前に動かす力をもっているという点でも、ほんとうに素晴らしい魅力をもった方々がそろっているということです。党議員団としての実績と一体に、個々の候補者の魅力を大いに語っていくことを訴えたいと思います。

 わが党の議員団、候補者への注目と評価は、他党の議員、都職員、メディアからも寄せられています。

 ある記者は、つぎのように語っています。「都議会の共産党の存在感は絶大だ。知事が専決処分を続けていることに都民ファースト、自民、公明は何も言えない。共産党が他の党をみんなまとめて声をあげている。完全にリードしている。すごいと思う。若い方もベテランも、それぞれとても立派な方たちだ」

 別の記者は、こう語っています。「共産党の議員さんはよく勉強しているし、すごい活躍だ。校則や痴漢などいろいろな問題をとりあげて、社会全体を動かしている。子ども条例の時も、共産党さんは公明党の控室まで乗り込んでいって折衝していた。しかも全会一致にまとめあげた。びっくりしました」

 すでに、選挙区ごとに、候補者紹介のリーフレットなどが作成されていますが、どれも候補者の魅力・特徴をよくとらえたものとなっています。支部や後援会で、こうしたリーフレットなどもよく読み、候補者に「ほれこんで」、確信をもって訴えぬくことが大切であります。みなさん、わが党が、都議選をたたかう先頭に立っている候補者という点でも、文字通り、都民に誇るべき最良の人々を擁立していることに自信と誇りをもって、たたかいぬこうではありませんか。

宣伝・組織戦で、勝利に必要なやるべきことを、文字通りやり抜こう

宣伝・組織戦の到達点――一刻を争って、現状の抜本的打開を

 さて、躍進への道をこじあけるうえで、決定的なのは、宣伝・組織戦で、勝利に必要なやるべきことを、文字通りやり抜くことであります。

 現在の到達点は、宣伝では候補者ポスターは85・4%、30世帯に1カ所をめざしている声のスポットは44世帯に1カ所となっています。残る10日間、可能なあらゆる手段を駆使して、大量宣伝を抜本的に強化することは、勝利をかちとるうえで大きなカギとなっています。

 対話の到達点は68万、支持拡大は54万です。前回の同日比を超え、変化をつくりだしたところも生まれていますが、重点区全体での前回比は、対話76%、支持拡大74%と、なお遅れを打開して、勝利に必要な勢いをつくり出すには至っていません。一刻を争って、現状を抜本的に打開することは、文字通りの急務となっています。

選挙区ごとの情勢判断と対策を明瞭にし、すみずみの共通の認識にして総決起を

 いかにして宣伝・組織戦を、勝利に必要な水準に一挙に引き上げるか。

 そのために決定的に重要なのは、選挙区ごとの情勢判断と勝利のために何をなすべきかを、端的なスローガンで明瞭にし、支部と党員、後援会員、支持者のすみずみまでの共通の認識にして、総決起をかちとることであります。

 定数2を3人の有力候補で争う文京区では、福手ゆう子予定候補が、前回215票差の惜敗でしたが、今回は、前回の都民ファーストのように大量の得票を獲得する候補がないもとで、最低当選ラインが大幅に上昇すると判断し、新人候補が現職を上回っていくためには、前回の1・5倍のがんばりが必要だと意思統一して奮闘してきました。5月末の段階での情勢判断で、現状のとりくみの延長では「議席に届かない」ことを鮮明にして、6月5日の街頭演説会を跳躍台に局面打開を図ることを意思統一しました。党と後援会は、中心的な作戦として、「折り入って作戦」で、こうした選挙情勢をすべての支持者に伝えて、その力で対話・支持拡大の遅れを打開することにしました。「折り入って」のお願いの袋を2万枚作成し、お願いを広げ、担い手を5600人に広げています。そうしたなかで、文京地区では、14日には、前回同日比で約90%と遅れていた対話・支持拡大を、22日には前回同日比で140%まで、50ポイント押し上げてきています。何としても1・5倍まで引き上げて、大激戦を勝ち抜こうと奮闘しています。

 同様の努力を行い、短期日のうちに宣伝・組織戦の立ち遅れを一挙に打開しつつある選挙区が各地に生まれています。他方、遅れが打開できていない選挙区も残されています。

 文京区の経験にも学び、選挙区ごとに、情勢判断と対策を明瞭にし、党と後援会、支持者のすみずみまでの共通の認識にして、底力を発揮し、総決起することを心から訴えるものであります。

異常な「大丈夫論」攻撃――打ち破ったかどうかは実践によってはかられる

 このとりくみをやり抜くうえで、「大丈夫論」攻撃をはね返すことは、きわめて重要であります。

 今回の選挙ほど、「共産党は大丈夫」「○○候補は大丈夫」といった「大丈夫論」が、自民、公明、都民ファーストなどを中心に、主に口コミで、集中的に流されている選挙はありません。「大丈夫論」が、わが党の現職区だけではなしに、新人候補が立候補している選挙区まで流されるという異常な状況となっています。

 現瞬間の情勢判断は、冒頭にのべたように、全体として、「現有議席確保にはかなりの距離がある」というものです。定数の多い選挙区も含めて、「大丈夫」などと言える選挙区は、ただの一つもありません。すべてが、当落線上の激しい接戦、もしくは当落線上に向けて激しく追い上げているのが、リアルな現状であります。にもかかわらず、いくつかの選挙区で、わが党の陣営のなかにも、「大丈夫論」が知らず知らずのうちに浸透し、やるべきことがやられないまま推移している状況が残されていることは重大であります。放置するならば、致命的な失敗になりかねないことを、強く警告しなくてはなりません。

 「大丈夫論」の本質は、政策論戦では共産党を批判することができないために、政策抜きで共産党への支持を削り取ろうという、きわめて謀略的な共産党攻撃であります。この攻撃を打ち破る構えを党と後援会、支持者のすみずみにまで確立するとともに、都民的にも打ち破っていくことを、心から訴えたいと思います。

 そして、この攻撃を打ち破ったかどうかは、宣伝・組織戦――とくに一票一票を、しのぎをけずって広げていく対話・支持拡大において、勝利に必要な活動が行われているかどうかという、実践によってはかられることを強調したいと思います。

 みなさん。勝利に必要な宣伝・組織活動をやりぬくことで、この卑劣な「共産党落とし」の攻撃を、断固として打ち破ろうではありませんか。

全国の同志に訴える――東京の知人・友人にもれなく支持の訴えを

 ここで全国の同志に訴えたいと思います。

 すでに全国の同志が、東京の政治戦を「わが選挙」と位置づけ、宣伝・組織戦の支援をはじめ、物心両面でさまざまな支援をしていただいていることに、私は、党中央を代表して、心からの感謝を申し上げたいと思います。

 残る10日間、あらゆる可能な支援をお願いしたいのですが、とくに訴えたいのは、東京にいる知人・友人に、もれなく支持を訴える活動であります。

 40年間、東京の地下鉄で働き、退職して14年になる、茨城県在住のある同志から、次のような活動を行っているとの報告が寄せられました。

 「東京では労働組合で活動していて、東京のつながりを名簿にしています。知人134人に、1日5~6人くらいのペースで都議選支援を訴える電話をかけています。20日までに112人と対話し、今回、口を濁した人は1人で、それ以外は全員が支持を約束してくれました。

 前回は都民ファーストに勢いがあって、期待していた人も多かった。いつも二つ返事で支持してくれる人が、返事を濁していました。前回は40人ほど返事を濁した人がいましたが、この人たちが、今回は全員が『共産党に入れる』『家族にも言う』と言ってくれました。

 対話で、一番話しているのはコロナの対策と五輪です。他の政党は、コロナを抑える政策がありません。五輪もはっきりと中止を言っているのは共産党だけです。ここは高い評価を得ています。今回、共産党への期待はとても大きい。自分のつながり名簿への電話は、都議選の告示から逆算で6月から始めました。告示までに全部かけきるペースでやります。あと残りは11人だけとなっています。総選挙は野党連合政権をつくる選挙になります。そのためにも都議選は必ず勝ちたい。そういう思いでやっています」

 全国で活動している同志のほとんどが、東京に知人・友人を持っていると思います。その方々全員に、もれなく都議選での支持を働きかけることを、心から訴えたいと思います。各分野の後援会も、結びつきを生かして、都議選での支持を訴える活動に大いにとりくむことを、心からお願いしたいと思います。

 全国の都道府県が自主的に決めた、結びつきを生かした支持拡大の目標は、合計するならば36万になります。都議選の勝敗を大きく左右する目標を掲げているのであります。茨城の同志の経験にも学んで、この目標を掛け値なしにやりぬくことを、心から訴えるものであります。

 全国の同志のみなさん。「全国は一つ」――わが党がもつすべての力を都議選勝利に集中し、必ず勝利・躍進をかちとろうではありませんか。

東京都議選の歴史的意義――こんなに重大で、やりがいのある都議選はない

 報告の最後に、今回の東京都議選の歴史的意義について訴えたいと思います。

 都議選は、いつでも日本の政治の行方を左右する重要なたたかいとなりますが、今回の都議選は、かつてなく重要な意義をもつたたかいとなっています。

パンデミックのもと都民・国民の命と暮らしに直結、大きな国際的意義も

 第一に、この政治戦は、新型コロナ・パンデミックという未曽有の大災害のなかでたたかわれ、とくに、東京五輪の是非が大争点となるもとで、都民・国民の命と暮らしに直結する死活的意義をもつものとなっているということです。日本共産党の躍進は、この大災害から都民・国民の命と暮らしを守るうえで、最も確かな力となるものです。

 「五輪より命を優先する政治を」「五輪は中止しコロナ収束に全力を」と明確に訴える日本共産党の躍進をかちとるならば、日本の首都から五輪問題での理性の声を世界に発信する、大きな国際的意義をもつものともなるでしょう。

逆流や妨害をのりこえ、市民と野党の共闘を成功させる最大の力

 第二に、都議選での日本共産党の躍進は、秋にたたかわれる総選挙において、市民と野党の共闘を成功させ、政権交代を実現し、新しい政権――野党連合政権をつくる、最大の力となります。

 総選挙にむけた共闘を成功させるうえで、さまざまな逆流や妨害をのりこえていくことが焦眉の課題になっています。その最大の力となるのは、日本共産党の躍進であります。都議選で、共産党躍進の流れをつくりだし、わが党の勢いをはっきりと示すことこそ、共闘を前に進める最大・最良の力となります。共闘の前途は、都議選での日本共産党の躍進にかかっているといっても過言ではありません。

総選挙でのわが党自身の躍進にとって、決定的な意義

 第三に、都議選での日本共産党の躍進は、総選挙でのわが党自身の躍進にとって、決定的な意義をもつものとなります。

 8年前、2013年の都議選での日本共産党の躍進は、日本の政治に一大衝撃を与え、党と国民との関係を一変させました。直後の参議院選挙、私は全国各地に応援にうかがいましたが、全国どこでも、街頭演説で、「都議選で躍進をかちとりました」と冒頭に一言のべただけで、拍手と歓声が沸き起こり、喜びに沸き立ったことを思い出します。

 広い国民のなかでのわが党に対する見方にも大きな変化が起こりました。都議選の躍進は、直後の参議院選挙での躍進につながり、翌年、2014年の総選挙での躍進につながりました。みなさん、都議選での躍進を必ずかちとり、続く総選挙で、「850万、15%以上」をかちとる連続躍進を果たそうではありませんか。

 3点ほどのべましたが、わが党の都議選のたたかいの歴史のなかでも、こんなにも重大な意義をもち、そしてやりがいのある都議選はありません。

 東京と全国の同志のみなさんが、残る10日間、総力を結集し、やるべきことをやり抜いて、必ず勝利をつかみとることを訴え、私たち中央委員会もともに奮闘する決意をのべて、報告とします。


pageup