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2021年6月22日(火)

きょうの潮流

 コロナ禍で芸術や文化は「不要不急」とされがちですが、本当に必要ないのか?あのシェークスピアの「リア王」に面白いセリフがあります。「ああ、必要を言うな。自然が必要とするもの以外を禁じてみろ、人間の生活は畜生同然だ」▼王国を譲った長女と次女に冷遇されるリア。さらに次女から「(従者が)一人だって必要かしら?」と言われて嘆くセリフです。追い出されたリアは、嵐の荒野へさまよい出ます▼以上は、翻訳家の松岡和子さんに教えてもらいました。松岡さんは最近、シェークスピアの戯曲全37作の個人訳を完成。坪内逍遥、小田島雄志に続いて日本で3人目です。「シェークスピアは予想もしない形で私たちの生活とつながります」▼意外な体験は松岡さん自身の人生にも。3年前、夫に食道がんが見つかったとき、不意にハムレットのセリフが頭に浮かびました。「覚悟がすべてだ」。最後の剣術試合にのぞむ前の言葉です。夫の闘病中はもちろん、亡くなった後も、この言葉が松岡さんの心の支えです▼「この世の関節が外れてしまった」もハムレットの有名なセリフ。王国の乱れた状態を指しました。それはコロナ禍の世界の状況に重なる、と松岡さんは言います▼いま国民を危険にさらして、東京五輪へつきすすむ菅政権と小池都政。ここでも「関節が外れてしまった」ようです。それを正すチャンスが都議選です。「五輪より命を」。だれの心にもひびく訴え。日本共産党の前進こそ、「関節」をはめる特効薬です。


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