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2021年6月20日(日)

通常国会 共闘・世論が政治動かす(2)

医療破壊を止めよう

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(写真)医療費窓口負担増に抗議する人たち=4月8日、国会前

 新型コロナウイルスのまん延で医療体制が逼迫(ひっぱく)し、入院できず自宅療養中に亡くなる人が相次いでいます。ところが菅政権は、脆弱(ぜいじゃく)な医療体制の立て直しを行うどころか「病床削減推進法」と「高齢者医療費2倍化法」の成立を強行。医療提供体制の縮小・再編、負担増による医療からの患者閉め出しを狙っています。

病床削減を加速

 二大悪法の問題点は国会論戦を通じて明らかです。政府は2023年度からの医師養成数の削減を狙い、推進法で過労死ラインの2倍近い長時間労働を容認。病床削減・統廃合の財政支援を法制化し、病床削減を進める地域医療構想、436の公立・公的病院に検討を迫った再編統合の推進に固執しています。

 特に、コロナ禍で病床逼迫が深刻な東京では、リストで名指しされた公立・公的病院が都心や多摩地域、島しょ部に計9カ所もあります。小池百合子都知事も都立・公社病院の独立行政法人化を狙うなど、医療への公的責任を後退させていく政策は国と一緒です。

 野党は国会論戦で、コロナ禍を教訓に病院名リストの撤回や見直しを行うよう何度も追及。医師・看護師らの抜本的増員こそが必要であることも浮き彫りになりました。

「公助」切り捨て

 2倍化法の論戦でも、受診控えの影響を軽視し、命・健康を脅かす菅自公政権の冷酷さが鮮明になりました。

 野党は、政府が2割負担対象者は「負担能力がある」と言いながら、受診控えが起こると見込んでいた問題を追及。日本共産党の宮本徹衆院議員の質問に、政府は年1050億円(25年度)の受診控えが起きると認め、病気の早期発見・早期治療を困難にして健康悪化につながる実態が明瞭になりました。

 「現役世代の負担軽減」を強調しながら、実際の軽減額は1人あたり月33円(同)にすぎず、公費は年約1200億円も削減される実態にも批判が集中。「公助」切り捨てのための法律であることが示されました。

 国民が切実に求めているのは、医療破壊ではなくコロナ収束への対策です。命を守る「ケア」に手厚い政治への転換こそ必要です。

 二つの医療破壊法に対するたたかいは、これからがいっそう重要です。2倍化法による75歳以上への窓口2割負担(現行1割)の導入は来年10月以降であり、病床削減・統廃合の財政支援の利用は、自治体などが決めることです。7月の東京都議選と秋までに行われる総選挙で自民・公明などに審判を下し、医療破壊の実施を止めさせることが必要です。(つづく)


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