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2021年6月8日(火)

きょうの潮流

 支えてくれた家族、そしてフィリピンと日本のファンや友だちに感謝を伝えていました。こぼれる喜びの涙とともに▼ゴルフの海外メジャー大会、全米女子オープンで19歳の笹生優花(さそう・ゆうか)選手が優勝しました。母はフィリピン人、父は日本人で二つの国籍をもち、今大会はフィリピンで出場登録していました。「メジャーを制した初のフィリピン人選手になった」と、生まれ故郷のメディアにもたたえられました▼国際化が進むスポーツ界では国の枠にとらわれない選手の活躍が増えています。テニスの大坂なおみ選手やプロバスケットボールの八村塁選手しかり。8歳でゴルフを始めた笹生選手も環境が良かったというフィリピンで練習に打ち込みました▼快挙は国内からも。陸上の男子100メートルでは山県(やまがた)亮太選手が9秒95の日本新記録を樹立。体操では内村航平選手が鉄棒で世界最高得点を出し、4大会連続の五輪代表入りを果たしました▼こうした躍動を裏打ちする不断の鍛錬を思うと頭が下がり、つみ重ねた努力が実ればうれしい気持ちにもなります。一方、手放しで喜べない人も多いのではないか。この状況で強行する東京五輪への不安がぬぐえず、開幕間近になっても「安全安心」の根拠を示さない政府への不信があるからです▼「希望と勇気を世界中に届ける」。とってつけたように大会の意義を口にする菅首相。オリンピックは人類の平和を求め、国をこえてつながる場です。人々を切り離すことになれば、選手も本意ではないでしょう。


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