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2021年5月18日(火)

きょうの潮流

 亡くなった橋田壽賀(すが)子さんの代表作「おしん」。人気は海外にもひろがり、これまで70以上の国や地域で放送されているといいます。その一つがスリランカです▼おとなから子どもまで知られ、ドラマをきっかけに来日した人も。「おしん」以外にも仏教を通して日本に興味や親しみを多くが抱いています。一方日本の関心は低く、両者の関係を「片思いと無関心」と評する向きも▼「姉が大好きだった国でこんなことになり、耐えられない」。日本の入管施設で死に追い込まれたスリランカ人女性のウィシュマさん。変わり果てた姿と対面した妹たちは声を震わせ、訴えました。「ほかの外国人が、姉のようにならないことを願っている」▼いまだ明らかにされない死の真相。まともな説明もなく、収容中の様子を撮ったビデオ映像の開示にも応じない。食事もとれないほど衰弱し医師から点滴や入院の指示があったことも隠す。国や入管が外国人の人権をいかに軽んじているか▼統計を取り始めた2007年以降、入管施設での死亡者は自殺をふくめ17人にものぼります。強制的で不透明な日本の制度のひどさには国内外から批判が高まっていますが、さらに外国人を窮地に追い込む改悪を菅政権は強行しようとしています▼33歳のスリランカ女性が救いを求め続けた名古屋入管の一室。それを見た妹は「動物の部屋みたいだった」と。夢見た国から受けた冷酷な仕打ち。命と誠実に向き合わないこんな姿勢で、世界中から人を呼ぼうというのか。


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