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2021年5月13日(木)

子ども子育て支援法・児童手当法改定案

田村議員の質問 要旨

参院本会議

 日本共産党の田村智子議員が12日の参院本会議で行った子ども子育て支援法・児童手当法改定案についての質問の要旨は次の通りです。


 法案は、待機児童解消のため、今後4年間で14万人分の保育の「受け皿」を整備する財源確保のためだとされています。

 多くの保護者が望むのは、安心して預けられる「保育所」です。安倍政権のもとで7万人の「受け皿」として企業主導型保育が増えましたが、保育の責任を放棄した事業者が大問題にもなりました。

 「受け皿」という言葉は、保育の質を脇に置いた待機児童対策を象徴しています。「待機児童ゼロ」を掲げた小泉政権以来、定員超過、園庭のない保育所、株式会社参入を促す規制緩和が行われてきました。こうした「詰め込み」保育は、新型コロナ感染症のもとで深刻な矛盾をもたらし、保育現場からは「密を避けられる状況にない」と苦悩する声が寄せられています。

 2歳児以降の子ども1人当たり「たたみ1畳分」が保育室面積の最低基準です。感染症対策を考慮した基準に改善すべきではありませんか。待機児童対策は保育の量とともに質の向上をめざすべきです。

 「新子育て安心プラン」では、保育士確保策として、短時間保育士の活用が打ち出されました。保育士は常勤を充てるとしてきたのは保育の質を担保するためではありませんか。今回の規制緩和を図る通知でも「子どもを長時間にわたって保育できる常勤の保育士をもって確保することが原則であり、望ましい」と述べています。

 規制緩和は臨時的と言いますが、常勤保育士を確保できず、自治体が認めれば、待機児童がいる間は、延々と容認されるのではありませんか。

 常勤から置き換えても、公定価格は減額されないため、事業者に短時間保育士の活用を促すことも懸念されます。短時間勤務を保育士配置に持ち込めば、処遇改善に逆行し、保育士不足を加速させるのではありませんか。

 児童手当法改定法案では、政府試算で61万人の子どもに対して児童手当がゼロになります。日本は子どもに対する現金給付も現物給付も水準が低すぎます。児童手当は、全ての子どもを対象とした現金給付の唯一の制度であり、求められるのはその拡充です。

 高校授業料無償化に所得制限が持ち込まれようとしていた2013年、子どもの貧困対策を求める集会で、定時制の高校生が「学ぶことを権利としてほしい。高校に授業料という言葉も、教科書代という言葉もなくなることを希望します」と表明しました。この声に応える決意です。


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