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2021年5月7日(金)

五輪とコロナ対策――両立しないことはいよいよ明瞭

開催国政府として直ちに中止の決断を

志位委員長が会見

 日本共産党の志位和夫委員長は6日、国会内で記者会見し、今夏の東京五輪・パラリンピックについて「コロナ対策と両立しないことは、いよいよ明らかになっている。政府として直ちに中止を決断し、関係諸団体と調整することを強く求めたい」と述べました。


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(写真)記者会見する志位和夫委員長=6日、国会内

 志位氏は、1月21日の衆院本会議の代表質問で三つの理由をあげて東京五輪を中止すべきだとただしたことに触れ、「それから3カ月半。その矛盾がここにきていよいよ隠しようもなく噴き出している」と指摘しました。

 第一は、ワクチンが間にあわないという点です。志位氏は、日本のワクチン接種率が人口比で世界118位と非常に遅れていることを指摘。「国際的にもワクチン格差が大きな問題となっているが、何よりも開催国・日本でワクチン接種が大変に遅れており、国内外ともに開催の条件はなくなっている」と強調しました。

 第二は、フェアな大会にならないという点です。志位氏は、世界の感染状況を見ても日本が深刻なだけでなく、インド、ヨーロッパの一部、南米などで感染状況が非常に深刻だとして「こういう状況を見ても、全世界のアスリートが同じ条件でフェアに競い合う五輪にはならないことは明らかだ」と指摘しました。

 第三は、医療従事者を東京五輪のために医療現場から引きはがし、集めることに現実性がない点です。志位氏は、看護師500人、スポーツドクター200人、30の指定病院に協力を要請していることについて、「コロナのもとで大変な負荷がかかっている日本の医療体制にさらなる負荷を強いるのは、正気の沙汰ではない」と述べました。

 そのうえで、「ホストタウンの負担も深刻だ」と指摘。ホストタウンに登録されている自治体は528と全自治体の3割にも及ぶこと、そのなかから登録辞退の動きが出ていることを指摘し、「コロナ対策とワクチン接種に追われる自治体にさらなる深刻な重荷を負わせることになり、ここでも矛盾が噴き出している」と述べました。

 志位氏は、菅義偉首相が「国際オリンピック委員会(IOC)が開催権限をもっている」として、責任を丸投げし、逃げ続ける態度をとっていることについて、自らの責任を回避しようとしているのは「許されるものではない」と厳しく批判。IOCは日本の感染抑制に責任を負っているわけではないとして、「日本政府が、主催国の政府として、国民の命を最優先する立場から中止の決断をした場合、IOCにそれを覆すことなどできない。主権国家として主体的に判断し、直ちに中止の決断をして、IOCに伝え、関係各方面と調整をするべきだ。中止の決断をする責任は首相にある」と強調しました。


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