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2021年4月1日(木)

主張

コロナ禍と税制

不公平をただす道に踏み出せ

 コロナ危機に対応するための国の財源として大企業や富裕層に応分の負担を求める動きが各国で広がりつつあります。国民、中小企業の負担を減らすため消費税にあたる税金を軽減した国・地域は50以上に上ります。日本も不公平税制の改革に踏み出すべきです。

大企業優遇に歯止めも

 欧米諸国や日本は1980年代以降、法人税率を競って下げ続けました。経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の法人税率は81年の48%から2020年には23%へ大幅に下がりました。「有害な税引き下げ競争」といわれたこの流れに変化が見られます。

 英国政府は現行19%の大企業の法人税率を50年ぶりに引き上げ、23年4月から25%に増税することを決めました。中小企業の税率は据え置きます。コロナ対策の財源を確保するための政策転換です。昨年から行っている宿泊・飲食業を対象にした付加価値税(消費税)減税は9月末まで延長します。

 米国のイエレン財務長官は議会証言で、コロナ危機から経済を回復させるインフラ投資の財源として法人税の増税が考えられると述べました。中小企業や国民の負担は増やさないといいます。

 20カ国・地域(G20)は法人税率の世界的引き下げ競争に歯止めをかけ、多国籍企業に課税する国際ルールを7月までに合意する予定です。

 大企業、富裕層への行き過ぎた減税が貧富の格差を広げ、社会保障や医療の財源を損なったことでパンデミックに弱い社会になっていたとの批判、反省が各国政府や国際機関を動かしています。

 昨年の米大統領選挙では富裕層への課税強化を求める市民の主張が影響力を発揮しました。世界の富豪90人以上が「私たちに課税せよ」と呼びかけたことも国際的に共感を呼びました。

 税のゆがみを正すことは日本でも喫緊の課題です。日本の税制は、所得の低い人ほど負担が大きい消費税への依存を深めています。消費税が1989年4月1日に導入されてからの32年間は、国民の負担を増やし、大企業、富裕層を優遇する格差拡大の歩みでした。

 消費税率が3回の増税によって当初の3%から10%に引き上げられる一方、国税と地方税を合わせた法人税率は89年度の51%から2020年度には29・74%まで引き下げられました。所得税の最高税率も下げられました。

 消費税の税収は導入以来21年度(予算額)までの累計で447兆円に上ります。その間、1989年度比で法人税収は累計326兆円減り、所得税・住民税の減収は累計287兆円でした。消費税の税収が法人税と所得税・住民税の減収の穴埋めに消えたことになります。消費税が社会保障財源だという菅義偉首相の言い分は国民をあざむくものです。

「消費税5%」を緊急に

 消費税率を緊急に5%に引き下げることはコロナ危機で最も苦しんでいる低所得者への効果的な支援です。同時に、大企業や富裕層への優遇税制を見直し、応分の負担を求めることは、税によって所得を再配分し、経済の持続可能な成長を図る上で不可欠な仕組みです。格差拡大に歯止めをかけ、不公正を正してパンデミックに強い社会を築くためにも避けて通れない課題です。


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