しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年3月4日(木)

きょうの潮流

 ぶらぶらしていたから―。総務相を務めていたとき、自身の長男を大臣秘書官にとりたてた菅首相。週刊誌の記者に理由を問われ、そう答えたことがあります▼当時、自民党内の議員世襲に改革を訴える急先鋒(せんぽう)として売り出していた菅議員。ところが定職のない息子を、みずからの手で公職に就かせていたことがわかり、週刊誌にやゆされていました。「自分の子供には甘い“親バカ”」ではないかと▼菅首相や政権の人事が至る所で問題を引き起こしています。長男の秘書官起用に深くつながっている総務省の接待漬け。高額接待を受けていた内閣広報官をかばい、行政をゆがめた疑惑を覆い隠そうとしています▼こんな冗談のような人事も。夫婦別姓に反対する丸川珠代氏を男女共同参画相や五輪相にすえる。以前、年越し派遣村で「本当にまじめに働こうとしている人たちが集まっているのか」と言い放った坂本哲志氏を1億総活躍や孤独・孤立対策の担当相に任じる▼人事権を伝家の宝刀のようにふるい、周りを従えてきた菅首相。著書には「人事権はむやみに行使するものではない」「まちがっても恣意(しい)的に利用してはならない」と、恥ずかしげもなく(『政治家の覚悟』)▼そこには、世の中には国民の感覚からかけ離れた「当たり前でないこと」が数多くある。それをただし「当たり前」を実行する。そして、国民から信頼される政府をめざしたいと。コロナ禍にありながら、政権の不祥事が次つぎとふきだすいま、それこそ悪い冗談か。


pageup