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2021年3月2日(火)

きょうの潮流

 第2次大戦の直後に設立した国際連合。終戦の翌年に開かれた最初の総会で採択された第1号決議は核兵器の廃絶でした。賛成した国の中には当時、唯一の核保有国だった米国も含まれていました▼それから75年。いまも核兵器は世界中で1万数千発を数え、人類は脅威にさらされ続けています。「これまで国際議論は核兵器を持つ国が中心で動いてきた。しかしそれではいつまでたってもなくならない」。長崎大・核兵器廃絶研究センターの中村桂子准教授は指摘します▼そんな状況を打開し、廃絶にふみだしたのが今年発効された核兵器禁止条約です。オンラインで開かれた3・1ビキニデーの参加者からも励ましと希望が相次いで語られました▼米国では発効日に全米100カ所以上で行動。「核兵器は違法」の横断幕を掲げました。イギリスの最近の世論調査は8割近い国民が核兵器の全面禁止を支持し、6割が禁止条約への署名を望んでいると。韓国でも条約参加を求める署名運動が始まりました▼「人間を中心とした核軍縮へのアプローチにとって大きな前進」。国連の中満泉軍縮担当は発効を歓迎し、核なき世界を実現させる決意と対話、協力する意思を呼びかけました▼先の中村さんは「核兵器が存在している世界では勝者はなく、だれもが敗者」だと。そして「核兵器の使用を防ぐ責任は核保有国だけではなく、すべての国が共有すべき」。それは被爆国でありながら、禁止条約に背を向ける日本政府に最も突きつけられています。


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