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2021年2月24日(水)

きょうの潮流

 本紙連載エッセー「ねんてん先生の文学のある日々」でもおなじみの俳人・坪内稔典さんが、コロナ禍で楽しんでいることを紹介してくれました▼「人の集まる句会が開けないので、毎日散歩に出て道端の草と親しくなり、写真を撮り続けて、草の名前も随分覚えました」。そして、自分がこんなふうに変われることがうれしかった、と言います▼そこで周囲に巣ごもりの過ごし方を尋ねると、水を入れたペットボトルでストレッチざんまいの評論家、全国の仲間とオンラインで読書会をしている川柳作家、料理の腕に磨きをかける指揮者、古い特撮作品を見まくっている俳人…と、いずれも自粛生活をおもしろがる愉快な試みです▼筆者も何か始めようと「言葉の処方箋」と名付けたノートに日々、心に響いた言葉を書きためていくことにしました▼ひきこもりについての新聞記事で見つけた「今はひきこもっていても、その人だけのかけがえのない人生を生きている」という言葉、朝ドラ「おちょやん」でのせりふ「演じるということは、役を愛した時間、そのもの」、「おちょやん」好きが高じて読んだ浪花千栄子の自伝『水のように』から「よう考えて、自分というものを、大事に大事に扱わんとあきませんよ」等々▼コロナ禍で本紙「読者の文芸」への投稿も増えています。「八十路(やそじ)にて恥を覚悟で初投句 岩手県 那須勛(いさお)」「前向いて一句を捻(ひね)る散歩道 さいたま市 中野林」。こんな時こそ、自分を見つめる新しい一歩を踏み出してみませんか。


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