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2021年1月7日(木)

きょうの潮流

 残り2キロの大逆転劇となった今年の箱根駅伝。最終区、追い上げ追い越す選手を伴走車から鼓舞していた駒大監督の檄(げき)が話題になりました▼「男だろ!」「やったよ、男だ」。ここぞの場面で活を入れるために使ってきたといいます。部の伝統なのか『駅伝・駒澤大はなぜ、あの声でスイッチが入るのか』という本まで出しています▼ネット上では監督や選手への賛辞とともに厳しい意見も。違和感がある、今どきこんなこと言うんだ、精一杯頑張る姿勢に男も女もないと思う…。しかも周りも同調し、アナウンサーが「男をあげた」、選手も「監督を男に」、新聞は「名文句」ともちあげて▼まるで昭和の時代に逆戻りしたような感は正月の特番でも。トーク番組でゲストにまだ独身かと聞いたり、男を立てるように説いたりする司会。古びた男女観をもっともらしく口にするお笑い芸人も。男のために尽くす女性をけなげと描くドラマと、あげればきりがありません▼いまだ覆う古色蒼然(そうぜん)とした価値観や性差による不平等。それは政財界に顕著に表れています。元日の日経新聞に載った「経営者が占う2021」にずらりと並んだ40人はすべて男性。政治の世界も男が目立ち、政権党からは女性をおとしめる発言が絶えません▼一方でジェンダー平等を求めるうねりはこの遅れた国でも確かに。これまでまかり通ってきたことにも声があがり、そのひろがりは社会を動かしています。男らしさや女らしさではなく、自分らしく生きられる世の中へ。


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