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2021年1月3日(日)

野党連合政権樹立 共産党の躍進必ず 2021総選挙

小池書記局長と比例予定候補 熱く語り合う

 今年必ずある総選挙での勝利に向けて日本共産党の小池晃書記局長と4人の比例予定候補者がオンライン上で座談会を開き、大いに語り合いました。


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出席者 上から

小池晃さん 書記局長・参院議員

池内さおりさん(38) 東京ブロック比例代表予定候補、東京12区重複、前衆院議員

はたやま和也さん(49) 北海道ブロック比例代表予定候補、前衆院議員

大平よしのぶさん(42) 中国ブロック比例代表予定候補、前衆院議員

白川よう子さん(54) 四国ブロック比例代表予定候補、元香川県議

 小池 あけましておめでとうございます。

 はたやま、池内、大平、白川の4氏 おめでとうございます。

挑戦の1年

 小池 いよいよ2021年の幕が開けました。昨年は安倍政権が退陣し、菅政権になりました。しかし「史上最悪の安倍政権」以上にひどい政権が始まったというのが皆さんの実感ではないかと思います。

 同時に昨年は新型コロナウイルスの感染が日本中を覆い、国民の苦しみが頂点に達した1年になったのではないでしょうか。そのなかで日本共産党は、国民の苦難軽減のために全力で、検査を広げ、医療を守り、営業を支え、コロナ危機から人々の命を守り、暮らしを応援するという役割を果たして頑張ってきました。

 今年は必ずある総選挙で、菅政権を市民と野党の共闘で倒して、野党連合政権樹立に向けて全力で走る、そういう年にしなければいけないと思っています。そのためにも、日本共産党が比例で850万、15%以上の得票で必ず躍進する。小選挙区でも勝利の風穴を開けていくたたかいに挑戦する1年になります。

 今日は、議席奪還へと奮闘されている比例予定候補4人の皆さんにお集まりいただきました。決意と展望を大いに語っていただきたいと思います。

怒りが充満

 白川 前回衆院選後から四国中を走りまわり、お聞きした声を国会に届ける議席が絶対に必要だと実感しています。四国で日本共産党の議席を18年ぶりに奪還し、野党連合政権への扉を開いていきたい。四国4県の共産党が一丸となり、市民と他の野党の人たちと力を合わせながらも、日本共産党自身が輝いていくために頑張っていきたいと思います。

 大平 中国地方の全107自治体をまわり、住民や首長の皆さんから寄せられた熱い期待に何としても応えなければという思いです。

 今年は核兵器廃絶にとって大事な1年です。被爆者の願いにこたえるためにも、被爆地ヒロシマを抱える中国地方から日本共産党の議席奪還のために頑張りぬきます。

 池内 この3年あまりは、新たな人たちとのつながりを強め、日本共産党の仲間を増やし続けた日々でした。みんなの思いは「個人の尊厳を大切にする世の中にしたいんだ」ということです。いろんな怒りが充満しています。聞いてきた声は一つ一つ残すところなく国会でぶつけたいという気持ちで私も心がいっぱいです。

 はたやま 新自由主義の転換なしに、政権交代なしに北海道の未来は開けません。財政難や人口減少につけこみ自治体に「核のゴミ」の交付金を押し付けるやり方、相次ぐ食料輸入に苦しむ第1次産業、鉄道路線が半分もなくされようとしている現実。もうけ最優先・地方切り捨ての政治でいいのかと言い続ける議席が必要です。「もう我慢できない」という現場の声を届ける議席は、日本共産党の議席が誕生してこそと訴えていきたい。

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(写真)小池晃書記局長

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(写真)大平よしのぶ予定候補

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(写真)白川よう子予定候補

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(写真)はたやま和也予定候補

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(写真)池内さおり予定候補

コロナ危機

政権の無策に広がる怒り はたやまさん

女性への直接給付を実現 池内さん

検査拡充と補償訴え続け 大平さん

「声あげよう」と呼びかけ 白川さん

 小池 コロナ危機で国民の苦難が広がっています。地域をまわり苦難に直面する国民の声を聞き、勇気と展望を広げてきたと思います。皆さんの取り組みを教えてください。

 はたやま 安倍政権と菅政権のコロナ危機に対する無為無策に不満と怒りの声が日に日に増しています。北海道委員会は対策本部を立ちあげて、私自身が本部長として国や道などにくり返し対策を要請してきました。感染防止に気を付けながら困っている現場へ飛び込むことを基本姿勢に、200を超える団体・個人から切迫した声を聞いてきました。

 北海道医労連が取り組んだアンケートに「コロナ患者を診たあとに家族に会うのが重い」と答えた看護師がいらっしゃいました。命を守るために最前線で頑張っている看護師が家族にも負い目を感じながら胸を痛め、それでもまた病院に向かう、そんなアンケートの書き込みをみていたら本当に悔しくなりました。医療や介護、福祉を懸命に支えている人々をなんで国は見捨てるようなことをするのか。難病患者団体などでつくる北海道難病連の代表の増田靖子さんは「大病院でなければ難病の治療は受けられない、でもクラスター(感染者集団)の発生で機能が止まって、私もリハビリを受けられていません」「医師会などが警告を発しているのになぜ菅首相は受け止めないんですか」と涙ながらに語られたことにも胸が痛みました。

 本当にコロナ危機から医療を守るため、病院の減収補てんなど国の責任でやらなければいけません。何度でも何度でも、国へ訴えていきたい。PCR検査を広げるために自治体が真剣に取り組む中で、検査費用は国で全額国庫負担するべきだともくり返し訴えていきたいと思っています。

 小池 昨年末には、日本医師会、日本歯科医師会、日本看護協会、日本病院会などの医療関係9団体が、新型コロナで疲弊する医療現場への支援などを政府に要請する「医療緊急事態宣言」を発表しました。こうした団体がいっせいに声明を発表することはかつてなかったことです。本当に深刻な医療危機が日本中を襲っている状況です。

 池内さんはコロナ危機で感じていることはどんなことでしょうか。

 池内 1人10万円支払われる特別定額給付金は、自治体から世帯主に申請書が郵送されましたが、そのためにドメスティックバイオレンス(DV)や虐待にあっている女性や子どもが困難な状態に陥っていて、私も特別定額給付金の申請に同行してきました。「ステイホーム」と言われても、家が安全ではない人にとっては緊急事態宣言の期間中は孤独と恐怖に包まれた期間だったんだと実感しています。

 18歳の女の子からは、高校入学時から1人暮らしをさせられ、大学授業料さえも払ってくれないという親のもとで、特別定額給付金の10万円はすごく大事なお金で、何よりも自分の権利の主張であるということで受け取りたいと、私に声が届きました。地元の党区議さんの力も借りて彼女に直接給付となりましたが、こうした案件はかなりありました。

 中小企業経営者からも、売り上げが落ちて仕事が減っているとの悲鳴が寄せられています。先日は板橋でのつどいで、中小企業経営者が「一番不安なのは消費税。年を越せる気がしない」とおっしゃっていました。カラオケ店やライブハウスは、最初に政府から名指しで自粛を求められ、全くお客さんが来なくなりました。その店が休まざるを得なくなると、地域での店同士の支え合いが弱まり、地域全体に影響を与えます。ですから皆さんは、自粛要請と休業補償は一体でなければならないということを本当に強く主張されています。

 小池 私もライブハウスの人に話を聞いたときに、ライブハウスが営業を止めると、照明を担当する人、舞台装置を作る人、さらに周りの飲食店など、全部打撃を受け、地域全体に影響が広がると感じました。大平さん、中国地方はどうですか。

 大平 広島や岡山の各地でクラスターが多数発生し、特に広島市は、人口比で東京・大阪を上まわる感染拡大が現在進行形で進んでいる深刻な事態です。

 業者の営業が本当に深刻で、稼ぎ時の年末で再び大ダメージを受けているのをあちこちから聞きました。中国・四国で最大の歓楽街といわれる広島市流川で複数の店を経営している社長さんにお話を聞く機会がありましたが、PCR検査体制が広がったのはいいが、なかなか従業員に「受けて」とは言えないとおっしゃっていました。それは従業員が陽性になれば結局店を2週間休まなければいけない、その間、誰が補償してくれるのかと。検査を受けたくても受けられないという悲痛の叫びが寄せられています。

 先日お会いした食料支援の活動をしている団体の代表は「1週間、モヤシばっかり食べている」「ひとり親家庭だが仕事は休業で収入が減っている」などのメールが連日届いていると話していました。そして「コロナ禍で貧困が深刻化している。私たちは目の前の困っている人を数日、数週間は助けることができても根本的な解決のためには政治の力が絶対に必要。菅政権はそれでもまだ自助というのか」と怒りをあらわにされていました。

 私は広島県の日本共産党のコロナ対策本部長ですが、広島県に6回にわたって検査拡充と、自粛と一体の補償を要請してきました。

 検査拡充については私たちの要望の線で少し前に進んでいます。病院、介護、障害者施設と飲食店は全員無料の行政検査の対象になり、その後も消防、ごみ収集などの業種や地域の拡大など、さらに広げています。補償に関しては、まだ対象地域は狭いですが、時短・休業をした飲食店には協力金を出すこととしています。事態打開へ何より国の財政措置を強く求めたいです。

 白川 高知県ではひろめ市場をはじめとして影響がでて、実態をお聞きしてきました。当初は「みんなが自粛しているから」と、自分たちの要求を声にすることがはばかられるような状況でした。ただ、行く先々で「今の実態をつきつけて、私たちの声で動かしていこう」と呼びかけ、多くの人が声を上げるなかで持続化給付金だとか特別定額給付金などを実現させるなど前へと進めることができたと実感しています。

 高知県ではいま、営業時間を短縮した飲食店には協力金がありますが、飲食店にお酒を納入する業者やタクシーなどには何も支援はありません。補償をもっと大きく広げていかなければいけないと思っています。

 行政も逼迫(ひっぱく)しています。常日ごろからゆとりのない社会をつくってきたんだと、それが病院や保健所、福祉の現場に大きな影響をもたらしているということをすごく実感しています。先日香川県内の、生活が困窮した人に貸し付ける「生活福祉資金」の相談を受ける社会福祉協議会を訪問したのですが、職員は休憩をするひまもないほど忙しい状況です。若い職員さんは「相談に来られた人をどうにかしてあげられないのか」と泣いていたと話していました。現場の皆さんは頑張っているんですが、制度の仕組みや国の姿勢の問題から押しつぶされそうになっています。共産党は、そんな現場の皆さんを励ましながら、地元議会などでも改善に向けて頑張っています。

政治は変えられる

腐敗政治なくす党に共感 大平さん

漁業者から「頑張れ」の声 白川さん

病院統廃合許さず命守る はたやまさん

つながろうという模索が 池内さん

 小池 菅政権の感染対策における無為無策と「Go To トラベル」への固執などに見られる逆行のもとでも、日本共産党は国会論戦で、地域で、党をあげて国民の暮らし、命を守ろうと頑張りました。例えば1人10万円の特別定額給付金を実現し、雇用調整助成金のコロナ特例をつくり期間も延長させ、家賃支援給付金、学生への給付金、ひとり親家庭への特別給付金もつくらせるなど、勝ち取っている成果はたくさんあります。

 「声を上げれば政治を変えられる」ということも実感できた1年であったと思います。

 そして新自由主義的な政治のもとで、経済効率を優先し、医療や介護を切り捨てる、個人の尊厳を踏みにじるような政治を根本から変えなければいけないという思いも広がった1年だったのではないかと思います。

 大平 広島では、河井克行・案里夫妻による選挙買収事件への怒りが噴きあがっている状況です。昨年末には「“今年の漢字”は『河』でしょ」という声が皮肉を込めて出るくらい、「河井事件」の文字が広島県中をにぎわせました。コロナのなかで医療従事者はボーナスがカットされ、「1日水だけで過ごす日もある」という学生がいるなかで、河井夫妻が逮捕された以降も2人あわせて約3800万円も歳費などが支給されていることにさらに県民の怒りは沸騰しました。中国地方は、山口県下関市を中心にした安倍前首相の「桜を見る会」の税金私物化問題もあり、腐敗政治の震源地になっています。「日本共産党を伸ばすことが『政治とカネ』の問題を止める力になる」と訴えると、大きな共感が広がる状況です。

 白川 私はこの数年「漁民の白川」ということで頑張ってきました。漁業者の皆さんとお付き合いすることは人生でも初めてのことで最初はドキドキしながらのお付き合いでしたが、今、信頼関係ができつつあります。

 先日も「農業と漁業を考えるつどい」を香川県で開きました。そこでも、漁民の声を無視して成立した改定漁業法がコロナ危機のなかで施行されたことに漁業者の怒りの声が上がりました。天然マダイがキロ平均で276円にしかならず、漁に出ると赤字になる状況です。漁業者の皆さんは新鮮でおいしい魚を提供したいと頑張っています。そして“コロナの影響や改定漁業法の問題を解決していくためには共産党に頑張ってほしい”という声が出ています。こうしたみなさんと力を合わせ頑張っていきたいと思っています。

 はたやま 75歳以上の医療費の窓口2割負担の話が出たとき「なんで、このコロナ危機の時に病院にいけなくなるような負担の話を決めるんだ」という声が街頭でも寄せられました。北海道では、国から公立病院・公的病院の再編統合が全国最多の数で迫られています。自己責任が押し付けられ、命をないがしろにする政治が直撃している北海道で、命を守る議席をなんとしても獲得しなければという思いでいっぱいです。

 河井夫妻の「政治とカネ」の問題が、北海道にも飛び火して、広島県の鶏卵生産会社から計500万円を受領した疑いが出ている吉川貴盛元農水相が議員辞職しました。吉川氏は北海道2区選出です。4月の補欠選挙は総選挙の前哨戦ともなりうるだけに、今こそ企業・団体献金を受け取らない日本共産党の出番と広げていきたいと思います。

 先日農林水産省の北海道農政事務所に農民連の皆さんと、米価下落問題で要請に行きました。今年は過去最大の転作が米作農家に示される一方で、ミニマムアクセス(最低輸入機会)米77万トンは必ず輸入するのです。しかも半分は、決まって米国産です。「農家に米を作るなと迫りながら外国からの米は輸入するのか」と訴えると、農政事務所の職員も「お気持ちはよく分かります」と応じざるをえないんですね。でも気持ちだけ分かってもダメで、大本の農政、農民いじめ、地方いじめの政治を切り替えていかないといけません。

 小池 コロナで重症化しやすい高齢者の医療費の窓口負担を2倍化したら受診抑制が起こりますから、まさにコロナ対策に逆行しています。公立・公的病院に関しては、中国・武漢から政府チャーター便で帰国した人のうち体調不良者を最初に受け入れたのが東京の公社荏原(えばら)病院であり、都立駒込病院です。全国でも公立病院が感染症治療の先頭に立って頑張ってきました。その公立病院を統廃合していくこともまさに逆行でしかありません。あるいはコロナが広がる中で、食料自給率を低下させていく農業政策を何の見直しもすることなく突き進む政治でいいのかという点でも、今まで共産党と接点のなかったところで共感が広がり、共にたたかう流れが生まれてきていると感じます。

 池内 「自助」の考え方にからめとられないで、つながっていこうという模索も強まっていると感じています。コロナ禍で暮らしが大変ななかで32歳の男性がメールで連絡をくれてお会いしました。長い長いメール。これまでにも共産党に興味を持ってきたが、コロナ禍をきっかけに思いきってメールをしたといいます。彼はリーマン・ショックのころに就職活動をして何十社をうけても就職ができなかったんですが、もう、そんな時期があったことさえ忘れさられていることに傷ついていた。「このコロナ禍で就職活動をせざるをえない多くの若い世代にも同じことがくり返されるのではないか。そういう社会だけはつくりたくない」と言って、入党を決断されました。

 「自助」という言葉は一人一人を追い詰めていくものですが、希望を求める変化は確実に生まれている。私自身も、若い世代のするどい変化をダイレクトに感じています。手をつないで政治を変えていきたいと思います。

 小池 コロナは人と人とを遠ざけるウイルスではあるけれど、逆に社会的連帯を求める動きは広がっていますね。

 菅政権の日本学術会議への人事介入問題も、モノが言えない社会に向かう危険な動きとして大きなたたかいになりましたね。

 はたやま はい。北海道の大学でも教職員組合や有志の会で、安保法制(=戦争法)の時以上の速さでアピールなどをいっせいに出しています。その中の一つに、プロテスタンティズムを建学精神とする北星学園大学の教職員有志の会が新約聖書から「あなたがたは真理を知り、真理はあなたがたを自由にする」という一節を引いてアピールをまとめていました。

 この間、コロナ問題で大学の学長や先生から話を聞くなかで、今、大学では何を伝えていくかという真剣な模索が広がっていると実感しました。そこに今回の学術会議の任命拒否問題が重なり、さらに科学者との懇談を広げていきたいと思っています。

世界の流れ

核禁条約めぐり響き合う 大平さん

性的搾取のない社会こそ 池内さん

ジェンダー平等学び変化 白川さん

「核のゴミ」反対広く一致 はたやまさん

 小池 今年は1月22日にいよいよ核兵器禁止条約が発効します。広島、長崎の被爆者が命がけで訴え、世界中の政府と市民社会が共同した歴史的な成果だと思いますが、大平さんはこの動きをどう受け止めていますか。

 大平 対話では核兵器禁止条約の発効決定への喜びと同時に、批准に背を向ける日本政府への憤りという、二つの声がともに聞こえてくる状況です。

 12月にカトリック教会広島司教区の白浜満司教と初めて懇談しました。私からローマ教皇の広島でのメッセージを掲載した「しんぶん赤旗」をお渡しし、第28回党大会でも志位委員長がローマ教皇の発言を歓迎すると述べたことや、綱領改定の内容も紹介しました。司教は「おっしゃるとおり。今こそ小さな国々の声を聞くべきです。軍拡競争にかける費用を環境問題や核兵器廃絶に使うべき」と述べられるなど、たいへん響きあう交流となりました。

 この1年、これまであまり関わりをもてていなかった朝鮮や韓国の被爆者団体の皆さんや、原爆小頭症患者と家族の会「きのこの会」などと懇談を重ねてきました。「日本政府に核兵器禁止条約への参加を一緒に呼びかけましょう」と語り合い、それぞれが受けてきた病気や差別の苦しみなどもじっくりと聞き、あらためて核兵器の非人道性を胸に刻む1年でした。

 「唯一の戦争被爆国である日本政府に、核兵器禁止条約を署名・批准させよう」「批准できない政権なら交代させよう」ということを被爆地ヒロシマから大いに発信していきたいと思っています。

 小池 綱領改定でいうと「ジェンダー平等社会をつくる」ということを改定綱領に明記したことも大きな役割を果たしていると思います。

 池内 新たな出会いもこのコロナ禍でかつてなく広がっています。コロナ危機にからめてタレントが性売買を肯定する発言をし、批判的な声も広がりましたが、性売買を当然視する声の根深さも感じざるを得なかった。いかなる状況でも性的搾取の犠牲にならない社会をつくりたい。もともと性売買の現場にいたという女性ともつながり、性を売らずとも暮らしていける社会システムを構築することこそ政治に求めたいと話されていました。まだまだ自己責任論が覆っている社会の中で、私や日本共産党にアクセスしてみようと思ってくれている。それも30代の若い人たちなんですが、そういう人たちが増えたこともコロナ禍での新たな出会いだったなと感じています。

 足立区では自民党区議が、同性愛者が広がれば「足立区が滅びる」という発言をし、これに対するたたかいも大きく広がりました。ネットでの批判の声がものすごく広がり、それで足立区議会としても対応することになり、なんと今年からは、これまでの足立区政を転換させ、すべての愛に平等を、と「パートナーシップ制度」を実行するというところまでになっています。同性婚も実現させたいですね。

 白川 綱領改定で「ジェンダー平等」が書き込まれたことが本当に大きな力になっていると実感しています。

 地元の香川県は四国の中でフラワーデモが行われていない最後の県だったのですが、皆さんから励まされて最初の呼びかけ人として立ち上げました。そしたら身近な方にも多くの被害を受けた人がおられました。最初に商店街の一角で、みんなでハンドマイクを回して一言ずつ話したのですが、震えながらマイクを握り「実は私も」ということを訴える人が次々いました。その姿を見て、私自身も小さい時から父から母へのDVがひどくて、それを目の前で体験しながら「自分は被害者ではない」「当事者ではない」みたいな感覚でずっといたことにすごく気づかされました。自分自身のこととしてジェンダー問題を考えて取り組むべきだと気づかされ、この間もジェンダー問題の学習会で自分のその「気づき」を綱領に重ねて話をさせてもらっています。そうすると、やはり年齢を問わず、結構DV当事者は多いのです。そして「これまではこういうことを『当たり前』にしてきてしまったんだよね」という思いに、皆さんが変わってきたと思っています。

 小池 志位委員長が第2回中央委員会総会の幹部会報告でこう述べています。

 「党の議員や候補者が、自らの経験、つらい思いと重ねて、入党の初心とジェンダー平等をめざす思いを語り、感動を広げています。語ることが、その人自身の生きいきとした力の発揮につながっている姿は、たいへんに胸を打ちます」と。今の白川さんのお話に重なりますね。

 私も昨年、通常国会の予算委員会で職場でのパンプス強制に反対する「#KuToo」運動をとりあげ、臨時国会でも選択的夫婦別姓の実現を迫りましたが、いずれも今までとは全く違う方々から驚くような反応がありました。こうした問題への怒りと、何とかしたいという思いはマグマのようにたまっており、党への期待の広がりも実感した1年でした。

 いよいよ今年は総選挙です。政権交代へというたたかいが始まったわけですが、この間、地域から、草の根から野党共闘の取り組みが広がってきていると思います。

 池内 私が重複立候補する東京12区はこれまで、政党同士ではいろいろ課題がありました。しかし最近は、私と立憲民主党のうすい愛子・北区議、共産党のせいの恵子区議で共催するイベントが広がっています。

 大きな変化があったのは、昨年7月の都議補選でした。立憲民主党の候補者を私たち共産党が真剣に応援して、北区内を一緒に駆け回ることが実現しました。私もその時初めて、立憲民主党の宣伝カーに乗ったのですが足を踏み入れるときは、右足がプルプル震える! 宣伝の仕方一つとっても流儀が違う。しかし互いを尊重しながら力を合わせる。そういう流れのなかでお互いの信頼関係も深まり、市民運動も大きな力を発揮して、政党間の連携を支えてくれています。これは今までの選挙ではなかったことです。

 これまでは、私が一人で「野党統一候補です」とこぶしをあげるような状況でしたが、様変わりです。総選挙では野党連合政権を目指し、心の通った共通政策をもっと一緒にねり上げて、政権奪取の大きなたたかいにしたいと私自身願っています。

 大平 先日、鳥取県の境港市と倉吉市で田村智子副委員長を招いて演説会を行ったのですが、立憲民主党の湯原俊二・衆院鳥取2区予定候補がどちらも参加されあいさつしました。熱いエールと決意が交わされ、共闘の前進を感じさせた大いに盛り上がる演説会となりました。

 広島県三次(みよし)市で行われた12月の農民連中国ブロック交流会には、私の代理とともに立憲民主党の現職議員が参加し「野党議員を増やそう」とあいさつしました。

 同時に、日本共産党は農民連の代表の皆さんとも一緒に、岡山県にある中四国農政局に対して、米価下落、収量減少のダブルパンチを受けている農家に緊急支援策を打てと要請行動を行いました。野党共闘の広がりとともに、やっぱり共産党を伸ばしてこそという思いは農家のなかにも広がっている状況です。

 はたやま 昨年夏に「市民の風」北海道から各党へ憲法の順守と命を最優先にする社会に向けた「市民と政党の連携と協同の提案」がありました。小選挙区候補の統一もテーマでしたが、前札幌市長の上田文雄共同代表から「何としてもはたやまさんに勝ち抜いてもらいたい」と激励も受けました。

 17年総選挙で“共闘に熱心だった共産党の議席を北海道で失わせてしまった”と今でも市民の皆さんから語られ、何とかして共産党の議席を回復させたいという思いを表してくれています。

 切実な要求で手を握ることも大切だと思っています。いま北海道の寿都(すっつ)町というところで、高レベル放射性廃棄物「核のゴミ」の受け入れにつながる「文献調査」に同町長が手を挙げ、住民から強い反対の声が上がっています。反対する住民団体の代表と話をしましたが、「僕は共産党を支持していないよ」と言うのですが、「故郷を守るためには力を合わせたい」と話になるのです。そして同町長が核のゴミ問題で共産党が情報をリークしていると攻撃すると、同団体のある方は「事実を伝えてくれているのが共産党だ。共産党はヒーローだ」と反論までしてくれています。切実な要求で一致して頑張る党の姿や、本気で政権交代をめざす党の姿を知ってもらうことをさらに強めていかなければいけないと思っています。

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(写真)モニターに映る各氏と語り合う小池晃書記局長(手前)

新しい日本へ

四国から女性衆院議員を 白川さん

村・町・島から比例を軸に 大平さん

小選挙区も勝利をめざす 池内さん

与野党逆転の先頭に立つ はたやまさん

 小池 昨年は共闘の質が大きく変わった1年だったというのが率直な印象です。国会では日常的に野党国対委員長連絡会議が開かれ、毎日のように野党合同ヒアリングが行われました。市民との関係も発展し、共闘で勝利するだけでなく、共産党の議席も伸ばさなければいけないという動きが広がっています。その土台にあるのは、コロナ禍のもとで、この国の政治のあり方を深いところで変えないといけないという思いです。立憲民主党などとの政策的な一致点も広がりました。しかし、現瞬間では「ともに政権をつくろう」という合意にまでは至っていません。

 日本共産党は第2回中央委員会総会で「新しい日本をつくる五つの提案」を決定しました。これは総選挙で私たちが訴える政治的中身でもあると同時に、野党の連合政権が実行していく政治的内容の土台になるものです。こういう内容を実行する政権をつくろうではないかと訴えて、今年は、共闘をさらに前に進めていきたいと思っています。

 白川 四国は衆議院17の議席があるのですが、一人も女性の議員がいません。衆参あわせて女性は、野党共闘で当選した永江孝子参院議員の一人ということで、本当にいびつな状況です。

 そのなかで四国に女性衆院議員をということで「白川よう子さんの国会での活躍に期待します」というアピール文ができ、多くの人が政党の枠を超えて、また政党に属していない人も含めて女性が声を上げていただき、“白川の議席のために比例は日本共産党へ”という取り組みが進んでいます。24日には、永江参院議員に香川に来ていただきトークセッションをやることになりました。トークセッションを知らせるビラは市民派の女性市議さんがつくってくれました。こうした新しい市民のみなさんと力をあわせたたたかいが進みつつあります。

 四国では、16年参院選では香川選挙区で田辺健一さんが、19年参院選の高知・徳島選挙区では松本けんじさんが市民と野党の共闘でたたかっています。こういう共闘で真摯(しんし)に取り組む共産党の姿が、他の野党や市民の皆さんから高く評価され、信頼されて、さらに絆が深まっていくことが、この間のたたかいのなかでつくられてきました。

 この前も高知県南国市で、総選挙で高知1区から挑む立憲民主党の武内則男さんを勝たせようという市民団体が立ち上がったのですが、他の野党の人から「比例で共産党が勝たないとダメだよね」と提案があり、同団体の立ち上げの集会には私も呼ばれてあいさつしました。

 野党共闘を強めていくためにも共産党が議席を四国でとるというのが大きなカギになると思っています。

 小池 やはり比例を軸に日本共産党への支持の大波をつくることが、共産党も含むオール野党の政権に道を開いていく力になることは間違いありません。私たちは解散・総選挙は、現時点では4月以降になるだろうという見方をしています。この時間は宝の時間、貴重な時間です。この期間にどれだけ共産党の勢いを強めていくかが大事です。積極的支持者を増やしていく、その核になる党員、「しんぶん赤旗」読者を増やしていく、対話を1000万人に広げ、500万人の後援会員をつくろうと、思い切って広い層にあたっていくことを提起しています。

 今年は正念場の年です。最後に皆さん、解散・総選挙に向けて決意を語っていただけたらと思います。

 白川 全国一定数の少ない四国比例で議席をとれるかどうかが総選挙勝利のフィニッシュになるのは間違いないので、四国で共産党の議席を必ず奪還すると宣言しておきたいと思います。

 保育園の上を米軍機が低空飛行をくり返している中でお母さんや保育士たちと防衛省に交渉に行きました。その場で、お母さんが「子どもたちに『必ずお母さんが何とかしちゃるき』と約束したのに、いまだこの約束が果たせていない。子どもに申し訳なく思っている」と話されました。この思いを絶対に国会に届けるために、必ず国会にたどりつかなければならない。そして、コロナの中で苦しむ四国の皆さんの思いを一緒に実現していくために頑張りぬく決意です。

 大平 中国地方の全自治体をまわってうれしかったのは、どこに行っても支部があり党員がいて、共産党の旗を掲げて懸命に頑張っておられる姿にお会いできたことです。全自治体の最後にうかがった島根県吉賀(よしか)町では党員の女性2人が私の到着するのを何分も前からのぼりをもって待ってくださっていて、一緒に宣伝しました。党員・後援会員の皆さんとともに、中国山地奥深くの山村から瀬戸内海に浮かぶ島々、日本海の港町まで、中国地方の隅々から比例での日本共産党の票を積み上げて、何としても議席奪還のために頑張りたいと思います。

 池内 いつ解散・総選挙になっても必ず、日本共産党の比例での大躍進、そして私は小選挙区からの勝利をめざして全力で立ち向かっていきたいと決意を新たにしています。私は国会に戻り、世の中の価値観を変えるたたかいをしたいと思います。女性差別撤廃条約が求めている項目は、スピーディーに実現していきたい。少なくとも世界の人権水準で守られている人権について、この国で守られないで良しとするいわれはないはずです。暴力は許さない、個人の尊厳を実現する、その先頭に立ち、同時に多くの仲間を迎えながら頑張っていく決意です。

 はたやま 今、定数8の比例北海道ブロックで与野党は4対4です。北海道で日本共産党の比例議席を回復し、与野党逆転、政権交代をめざします。その先頭に私が立つ決意です。

 若い人たちと本気で手を結びたいと思っています。食料支援活動にふれて民青に加盟した大学生が「僕たちを取り巻いていた自己責任という呪縛がだんだん壊れつつある」と話したことに感激しました。“つながれば政治は変えられる”との確信が広がっています。政治を変える力は国民・道民の中にこそあるし、ぬくもりとやさしさの時代を北海道からひらきたい。必ず国会に戻ります。

 小池 新自由主義を押し付ける政治を変えるために今度の総選挙では菅政権を倒し、野党連合政権を実現しなければなりません。市民と野党の共闘を、協力して政権をつくるレベルまで進めるために私も全力をあげます。そのためにも日本共産党が躍進の流れをつくりだすことが必要です。日本共産党の「新しい日本をつくる五つの提案」を実現しようとすれば、アメリカ言いなり、財界中心という、この国の政治の根本的なゆがみにぶつかります。そのゆがみをただす方向を打ち出しているのが日本共産党です。

 今日、座談会に参加いただいた皆さんには全員必ず国会議員になっていただかなければならないという思いを強くしました。日本共産党の躍進を勝ち取り、新しい日本をつくるたたかいに全力をあげて取り組んでいきたい。そのために力を合わせましょう。ありがとうございました。

 4氏 ありがとうございました。


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