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2020年12月31日(木)

きょうの潮流

 年越しの景色を一変させながら暮れてゆく2020年。新型コロナウイルスとともにあった今年は、長く人びとの記憶にとどまる1年となりました▼パンデミック(世界的大流行)の勢いは、いまも収まりません。感染者は8千万人をこえ、死者は180万人に迫ろうとしています。日本も毎日のように感染者や重症者の数が最多を更新。いつ、どこで、誰もが。そんな状況のただ中にいます▼死を意識した。孤独で精神的につらかった。仕事や日常生活に戻れるのか、不安でたまらない―。これは東京都政策企画局のホームページで紹介された体験者の声です。症状や経過、周りへの影響や医療従事者への感謝とともに訴えているのは、このウイルスの恐ろしさです▼日々発表される数字の一つ一つにある悲しみや苦しみ。コロナ禍の貧窮や、ひっ迫する医療現場。ふりかかる苦難のなかで、なによりも支えや力になったのは、心の距離を近づけることでした▼人類が直面するこの危機をのりこえるためには人と人、国と国の信頼と団結が欠かせない。歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリさんが『緊急提言 パンデミック』で強調しています。ウイルスが歴史の行方を決めることはない、それを決めるのは人間であると▼私たちはいま、歴史の転換点に立っています。命が脅かされるこのとき、変化が切に求められる政治や社会。進歩を妨げ、私利に走る政権に抗し、声を、たたかいの輪を、ひろげる新年としたい。危機の先につくる未来に向けて。


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