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2020年11月22日(日)

大阪から、共産党躍進、新しい政権をつくる大波を

大阪・オンライン演説会 志位委員長が訴え

 日本共産党の志位和夫委員長は21日、大阪・オンライン演説会で、「コロナ感染急拡大のもと、日本共産党は命とくらしを守る取り組みに全力を尽くします」と表明するとともに、「次の総選挙で、日本共産党は比例近畿ブロックで4議席への倍増をめざし、すべての小選挙区での勝利のために奮闘します。共闘の力で政権交代を実現し、野党連合政権をつくる選挙にしていきたい。大阪から新しい政権をつくる大波を起こそう」と呼びかけました。


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(写真)訴える志位和夫委員長=21日、党本部

 演説会はオンラインで開催され、宮本たけし、清水ただし、西田さえ子の比例近畿ブロック3予定候補とともに府内の小選挙区予定候補12氏がそろって訴えました。

 志位氏は冒頭、「大阪市民が1日の住民投票で、再び『大阪市廃止』にきっぱり『反対』を突きつける歴史的勝利を勝ち取ったことを、ともに喜び合いたい」と切り出しました。日本維新の会の「自公の補完勢力」「悪政の突撃隊」ぶりを厳しく批判し、「大阪市民が下した審判は、共闘の力で日本の政治を変えるうえでも巨大な意義をもつものです」と強調しました。

 志位氏は、住民投票直後に維新が大阪市の権限と財源を府に吸い上げる条例を打ち出したことを「往生際が悪い」とずばり批判。「維新政治を転換し、大阪市政・府政を市民の手に取り戻す新たなたたかいに力をあわせて取り組もうではありませんか」と呼びかけました。

 志位氏は、新型コロナ対策、日本学術会議への人事介入という国政の二つの大問題に話を進めました。

感染爆発を止めるために何が必要か

 志位氏は、新型コロナの新規感染者数が連日2千人を超えている状況のもとで「菅政権のコロナ対応は無為無策と逆行というほかないものです」と強調。「感染状況の科学的分析も、政府として何をなすべきかも、分からなくなっている」と批判しました。

 感染爆発を抑えるために何が必要か。志位氏は、四つの点を訴えました。

 第一は、無症状の感染者を把握・保護するためのPCR検査の抜本的拡充です。

 志位氏は「日本の人口当たりの検査数は世界153位。異常な立ち遅れはどんな言い訳も許されない」と述べるとともに、「なぜこんなに遅れたか」と問いかけました。

 その根本原因は、政府が無症状感染者を把握・保護するという検査戦略をもっていないことにあると指摘。感染急増地(ホットスポット)となるリスクの高い全国の繁華街での「大規模・地域集中型のPCR検査」と、医療機関や高齢者施設などに対する「社会的検査」の実施を求めました。これらを「自治体任せ」ではなく全額国庫負担で行わせるよう声をあげようと訴えました。

 第二は、感染の接触追跡を専門に行うトレーサーを確保し、保健所の体制を抜本的に強化することです。志位氏は、「検査、保護、追跡」を一体で推進してこそ感染拡大を抑止できると強調しました。

 第三は、「医療崩壊」を絶対におこさないために、医療機関の減収補てん、宿泊療養施設の確保を行うことです。

 第四は、感染急拡大のもと「Go To」事業を見直すことです。志位氏は、「Go To トラベル」が感染急拡大のきっかけになったというのが専門家の一致した見方だと紹介。20日には東京都医師会の尾﨑治夫会長が同事業の「一時中断」を求め、政府の新型コロナ対策分科会が「見直し」を提言したことにふれ、「もともと感染の収束が前提の事業だったのに、収束しないもとで強行したことが間違いでした。感染拡大を招いた菅政権の責任はきわめて重い」と批判しました。そのうえで、全国一律の事業をやめ、地域ごとの事業に転換すること、中小・小規模事業者への直接支援も組み合わせて、観光・宿泊業への支援を行うことを提起しました。

 志位氏は「現在の感染急拡大は『菅政権による人災』というほかないものです。大阪の場合は、ここに『維新による人災』が加わる『二重の人災』に直面しています」と強調。大阪の維新市政によるコロナ対策の府への「丸投げ」、繁華街での無症状者に対する集中検査をいまだ行っていないこと、医療機関・高齢者施設での集団感染が多発し、ここで死者の半数以上(「第2波」以降)が出ているにもかかわらず、「社会的検査」に背を向けてきたことを指摘し、「『大規模・地域集中型PCR検査』『社会的検査』は、大阪でこそ必要です」と訴えました。

科学を政治のしもべにしてはならない

 志位氏が「もう一つ、どうしても訴えておきたい」と続けたのは、菅首相による日本学術会議への任命拒否問題です。「日本の今後に計り知れない災いをもたらすきわめて重大な問題であり、日本の政治の一つの分水嶺(れい)となりかねない問題です」として、「端的に言って二つの大問題があります」と訴えました。

 第一は、菅首相が任命拒否の理由を説明できないことです。

 志位氏は、「総合的・俯瞰(ふかん)的」「多様性が大事」「事前調整ができなかった」など、同問題をめぐる菅氏の答弁がすべてウソだということがはっきりしたことを「ウソの自転車操業」と痛烈に批判。「こんなことが許されたら、これから日本社会全体が、何の理由もなく誰がいつ標的にされ排除されるかわからなくなる。全体主義国家へ転げ落ちる道を絶対に許すわけにはいかない」と警鐘をならしました。

 第二は、任命拒否が違憲・違法だということです。志位氏は「国会審議を通じて確定した『任命拒否しない』という解釈を政府が勝手に変えることはできません。そんなことが許されるならば国会審議は意味をなさなくなり、三権分立が成り立たなくなる」と力を込めました。

 志位氏は、かつて日本が侵略戦争に踏み出した歴史的教訓を振り返って、日本国憲法に明記された学問の自由の保障の重要性を解明しました。さらに「科学と政治の関係が問われている」と語り、次のように訴えました。

 「科学と政治の論理は違います。政治は少数意見を大切にしながら議論をつくし、最後には多数決の原理が働く。しかし、科学は多数決でなく、真理かどうかで価値が決まる。そして科学では真理は最初は必ず少数から始まります。地動説を唱え迫害されたガリレオがそうです。だから科学が発展するためには、何よりも自由・自主性・独立性が大切です。科学を政治の支配下においてしまったら科学は死んでしまう。社会全体の進歩がそがれ、国民の利益も損なわれる。科学を政治のしもべにしてはなりません」

 そして志位氏は、過去の侵略戦争と専制政治に命がけで反対を貫いた唯一の政党として、「誤った歴史を繰り返させないことは、党の存在意義に関わる重大な責任と考えています。違憲・違法の任命拒否を撤回させるまで頑張りぬく決意です」と表明しました。

 最後に、「菅政権はだめですよ」と語りかけた志位氏。「安倍前政権以上に、より強権かつ冷酷な政権が現れました。国民に説明する意思も能力もない点でも、菅首相は前任者を上回ります」と指摘。「こんな政権をおめおめと続けさせるわけにはいきません。次の総選挙で、共闘の力で政権交代を必ず実現しようではありませんか。オール野党で野党連合政権をつくろうではありませんか。どうか日本共産党を大躍進させてください」と熱く訴えました。

近畿で比例4議席を

大阪の衆院予定候補そろって訴え

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(写真)オンライン演説会で訴える日本共産党衆院議員予定候補たち=21日、大阪市

 大阪市内の放送会場では、衆院近畿ブロック比例代表予定候補の宮本たけし(大阪5区重複)、清水ただし(大阪4区重複)、西田さえ子の各氏をはじめ大阪府内の小選挙区予定候補が訴え。府内各地で視聴会が開かれ、リアルタイム視聴は9391カ所となりました。

 宮本氏は森友文書の隠ぺい・改ざん問題をあげ「市民と野党の共闘で政治の信頼と希望を取り戻したい」と力説。清水氏は「消費税5%に引き下げたい。近畿で共産党の比例4議席絶対回復に力を尽くします」と述べました。西田氏は「『自助・共助』と市民を切り捨てる菅政権を許さない。政治を変える思いを共産党に託してください」と語りました。

 小選挙区予定候補の竹内よしのり(1区)、わたなべ結(3区)、川添たつま(7区)、松尾まさのり(12区)、かみの淳一(13区)、小松ひさし(14区)、ため仁史(15区)、森流星(17区)、もちづき亮佑(18区)、北村みき(19区)の各氏が訴えました。

立民・社民から連帯メッセージ

 連帯のビデオメッセージを寄せた立憲民主党大阪府連代表代行の村上史好衆院議員は「野党がまとまり、国民の生活第一の政治をつくりましょう」とあいさつ。社民党大阪府連副代表の大椿裕子氏は「市民と野党が一つになって政治を変えるため一緒にがんばりましょう」と述べました。

 辰巳孝太郎前参院議員が司会を務めました。


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