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2020年11月14日(土)

きょうの潮流

 「巡回上映で反核・脱原発が常識になるよう多少でも貢献したい」。ドキュメンタリー映画「我が友・原子力~放射能の世紀」を製作したパリ在住の映像作家・渡辺謙一さんが10月に高知や福島などで先行上映した際の抱負です▼作品は核開発や原発によって米国人、フランス人、日本人が“被ばく”した歴史と証言です。米国製の福島第1原発の事故と放射能雲のもとトモダチ作戦に従事し被ばくしたと主張する米空母ロナルド・レーガンの米兵。ビキニ海域での米国の核実験で日本の漁船員が被ばくし「核実験被災船員の救済」を求めて起こした裁判。これらを対比的に描いています▼「フクシマ原発事故10年の来春、大学巡回上映も含めて全国を回りたい」と渡辺さん。同作品は今夏ドイツ・フランス公共テレビArte(アルテ)で放送され、英語など6カ国語の字幕付きでネット配信中です▼欧州では、高知の太平洋核被災支援センターの山下正寿さんが日本政府に求めた核実験被災船の公文書が、全部黒塗りで開示されたシーンに驚きの声があがったといいます。「後世へと記録したもの。黒く抹殺するのは歴史の否認です。ありえないことです」と▼50カ国が批准し来年発効する核兵器禁止条約は「核兵器使用または実験による被害者」の救済も挙げています。フランスも米国同様に、南太平洋ムルロア環礁などで核実験を繰り返しました▼日本と世界が連帯して核実験被害を告発する運動は、核保有国に条約の署名を迫る意義あるたたかいです。


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