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2020年9月29日(火)

アベノマスク単価黒塗りなぜ

大阪地裁 上脇教授 公開求め提訴

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(写真)記者会見する上脇氏(左端)=28日、大阪市

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(写真)全世帯に配布された通称「アベノマスク」

 新型コロナウイルス対策として当時の安倍晋三首相が進めた全世帯への布マスク(通称アベノマスク)配布について、業者に発注した単価と枚数を開示しないのは不当だとして、神戸学院大学の上脇博之教授は28日、国に開示を求める訴訟を大阪地裁に起こしました。アベノマスクは、入札を経ない随意契約で発注されています。単価などの非公開は、政策の妥当性を国民が評価できないことにつながり、菅義偉首相の姿勢も問われています。

「143円」明記の社も

 上脇氏は4月と5月、マスク業者との契約に関する文書の情報開示を国に請求しましたが、各業者に発注した単価と枚数が黒塗りになって公開されました。ただ開示された文書には、1社だけ見積もり単価が「143円(税込み)」と明記されているものがありました。

 他方、業者のなかには単価を公開しているところもあります。福島市の業者は本紙の取材に「ベトナムから輸入して1枚135円で納入」と回答。原告代理人の阪口徳雄弁護士は「単価にばらつきがある。国は他の業者との契約も明らかにするべきだ。アベノマスク配布の政策が妥当だったのか国会で議論するべきだ」と言います。

 不開示の理由は「今後の価格交渉に支障を及ぼす」「業者の調達に関するアイデアやノウハウの情報を他社が入手し、その業者の競争上の地位を害する」というものだったといいます。上脇氏は「一般人が手縫いでもできる布マスクの調達は特異な業務とはいえない。各業者と個別に締結した単価や枚数が明らかになっても、今後調達の価格交渉に支障を及ぼしたり、業者の競争上の地位を害するおそれはない」と主張しています。

 この日、記者会見をした上脇氏は「単価や枚数を開示してどんな不都合があるというのか。安倍前政権は文書を改ざんしたり、『廃棄した』と国会で答弁してきた。菅政権が隠蔽(いんぺい)体質を引き継ぐのではないか危惧する」とのべました。


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