しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年9月20日(日)

きょうの潮流

 文部科学省は来年度の全国学力テストからパソコンを使って出題・回答する方式の試行を始める計画です。デジタル化推進を掲げる菅内閣の方針とも合致するのでしょう。しかし、パソコンの使用以前に、学力テストの在り方自体を考えるべきではないか▼全国学力テストは「調査」が名目ですが、現実には自治体や学校の間の点数競争をあおって、現場をテスト対策に追い立てるものになっています。点数アップのため、子どもたちに過去のテスト問題を繰り返しやらせる一方で、大切な課題がなおざりにされてしまうことも▼「調査」ならば全員対象でなく抽出調査にするべきだという声が広がっています。自治体が独自に行っていた学力テストを廃止する動きも出ています。東京都は来年度からの廃止を決めました▼全国学力テストでは各都道府県の平均点がメディアで大きく取り上げられ、点数だけを教育の「成果」のように見る風潮を広げました。その見方を変えるときがきているのではないでしょうか▼コロナ禍も教育の在り方を問い直す契機かもしれません。少なくない学校で長期の休校の間は大量の宿題が出され、再開後は「遅れを取り戻せ」と詰め込み・スピード授業。子どもが悲鳴をあげています。そんな教育でいいのか、もっと大事なことがあるのではないか―と考えざるをえません▼教育は、学校は、何のためにあるのか。子どもたちの豊かな成長のために大切なことは何なのか。この機会に大いに議論を深めたいものです。


pageup