しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年9月17日(木)

主張

菅自公政権の発足

布陣も「安倍政治」そのものだ

 菅義偉自民党総裁が国会で首相に指名され、菅政権が発足しました。自民党役員人事では二階俊博幹事長らが続投し、組閣人事では麻生太郎副総理・財務相ら11人が閣内に残り、安倍晋三政権の骨格は、ほとんど維持されました。内政でも外交でも破たんした安倍政治を人事の面でも継承し、いっそうの推進を狙います。行き詰まった安倍政治からの根本的転換を願う、国民の切実な声に背を向けた政権です。市民と野党の共闘を前進させ、新しい政治を実現することが重要です。

自民党人事では改憲派も

 自民党の役員人事は、総裁選で菅氏を支持した派閥で占められました。「論功行賞」が前面に出た人事に他なりません。見過ごせないのは、総務会長に佐藤勉・衆院憲法審査会長、政調会長に下村博文・前自民党改憲推進本部長が就任したことです。“改憲シフト”と言える布陣です。菅政権発足にあたって自民・公明の両党が確認した政権合意(15日)では、改憲の「審議を促進する」ことが盛り込まれました。菅政権の改憲策動の危険は軽視できません。

 閣僚人事では、麻生氏をはじめ、茂木敏充外相、梶山弘志経済産業相、西村康稔経済再生担当相、赤羽一嘉国土交通相(公明)ら8人が安倍内閣から留任しました。菅氏に代わって内閣の要役となる官房長官には、安倍前首相の側近と言われる加藤勝信前厚生労働相が横滑りしました。河野太郎前防衛相も行政改革担当相として閣内に残りました。

 防衛相に就任した安倍前首相の実弟の岸信夫元外務副大臣ら5人が初入閣し、過去に安倍内閣にいた4人が再入閣しました。20人の閣僚中15人が“安倍暴政”を推し進めてきた閣僚経歴の持ち主です。初入閣した野上浩太郎農林水産相も、官房副長官として安倍官邸を支えてきました。

 菅政権が直面しているのは、感染の収束が見えない新型コロナへの対策と、落ち込みがいよいよ明白になっている日本経済の立て直しです。コロナ対応で迷走した西村経済再生担当相の留任は、破たんした「アベノミクス」など経済・財政政策への反省のなさを示すとともに、コロナ対策でも国民の願いにこたえようとしない姿を浮き彫りにしています。2度にわたって消費税増税を取り仕切った麻生財務相の留任は、菅氏が総裁選中、将来的な消費税増税を示唆したことと無縁ではありません。

 だいたい、「森友」疑惑で問題を続発させた財務省の責任者である麻生氏の続投は、疑惑への居直りです。「加計」疑惑でも関与が指摘されてきた萩生田光一文部科学相を留任させたのも重大です。安倍政権下で相次いだ「森友」「加計」「桜を見る会」などの疑惑を追及するたたかいは、新政権でも続きます。

新しい政治への転換を

 「官邸官僚」と呼ばれる首相官邸の事務方も、杉田和博官房副長官や和泉洋人首相補佐官、北村滋国家安全保障局長らが留任します。国民の「官邸支配」への批判を無視したものです。

 国会での代表質問や衆参予算委員会での論戦で、菅政権の政治姿勢と政策をただすことが急務です。徹底追及し、市民と野党の共闘を進め、政治の未来を切り開こうではありませんか。


pageup