しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年9月5日(土)

建材5社の責任認定

石綿訴訟東京2陣 国には14連勝

写真

(写真)勝訴判決を車上から報告する原告弁護団=4日、東京地裁前

 建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込み健康被害を受けた首都圏の建設労働者ら121人が、国と建材メーカー18社に損害賠償を求めた建設アスベスト訴訟(東京2陣)で4日、東京地裁(前澤達朗裁判長)は、国に約8億4673万円を、建材メーカー5社に総額約4億7000万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

 国の責任を認めた判決は14回目で、一人親方を含む原告112人への賠償を命令しました。メーカーに対してはシェア20%以上の5社の責任を認定。東京訴訟でメーカー責任が認められたのは初めてです。8月28日の神奈川2陣高裁判決など一連の判決を通じ、国と建材メーカーの責任は司法のゆるがない判断となりました。

 判決後の報告集会では原告団共同代表の吉田重男さん(72)が発言。「知らずに使って、自分も家族も苦しんだ。混和材を作ったメーカーには謝ってほしい。まだ救われていない人のためにこれからもたたかう」と訴えました。

 全国の建設アスベスト訴訟を支えている全建総連の田久悟労働対策部長は「今回の判決を確信にして、裁判を起こさなくてもアスベスト被害者全員が救済される『被害者補償基金制度』をつくらせましょう」と決意を表明しました。

 原告弁護団の松田耕平弁護士は、地裁判決の成果として、屋外作業に従事した被害者への責任を認めたことを紹介。「国とメーカーの責任を認めさせたことを評価し、残る課題を一丸となって解決していきましょう」と呼びかけました。


pageup